ノルウェー労働組合員736人、組織内のセクハラ文化を抗議 「恥と罪の意識を返却します」 #MeToo
ノルウェーの複数の労働組合のトップや会員が、放置され続けてきたセクハラ・性暴力文化を、「もう止めよう」と抗議した。
ノルウェー最大級の労働組合であるLOの元代表や現役の政治家(労働党)たちは、労働者を守るはずの労働組合の中にも、セクハラはあると主張する。
736人は本名を出して、最大手アフテンポステン紙で書簡を公開した。
セクハラが放置されてきた理由のひとつには、「恥、恐怖、説明しても理解してもらえずに『うるさく、面倒な人』だと誤解される可能性」が紙面では挙げられている。
ノルウェーでこれまで公開されてきた各業界からの抗議書簡と、同じような現状が浮かび上がっている。
- セクハラされた者が声にだしたところで、「彼はそういう人だから」、「彼はお酒を飲むと、そうなるんだよね」と言われて、終わり
- 何をしても「もうちょっと、笑いなよ」、「お、次は何を言ってくるんだ?ははは」とバカにされ、笑われる。「笑う人」は、男女問わない(ノルウェーではこのような下品な冗談などを「豚のおしゃべり」と言う)
- 男性から女性への行為以前に、「年配の権力ある者」から「若い弱者」に対する行為である
- 望まない行為は、業界の飲み会やパーティー、ディナーとお酒付きのカンファレンスやセミナー、そしてFacebookのチャットと携帯電話でのメールでのやり取りで発生している
736人のうち、20の実際に起きたとされるエピソードは匿名で伝えられた。
- 私よりも2倍年上の男性からのナンパが止まりませんでした。Facebookで参加するイベントもチェックされ、後を追い回されたので、Facebookでブロックしました。「ひどい、とても悲しい」と彼には言われ、「ブロックするほどではないんじゃない」と周囲にも言われました。「悪者」になったのは、私でした
- 組合の有名な男性からペニスの写真を送られました
- 男性の泊まるホテルのベッドの写真と、「待っているよ」とメールが届きました
- 「君を見ていると、やりたくなる」と言われました。そのやり取りを見ていた周囲の人たちは、ただ黙っていました
- 「君のような女性は」ペニスが必要に違いない、と言われました。他にもそういう女性はいっぱいいると
- 私が20代の時、男性たちとのディナーのテーブルでの出来事です。私の身体のどこがいいかを、彼らは話し始めました。あの時ほど、自分をモノとして感じたことはありません。あなたはその時、もはや人間ではなくなるのです。ただのエンターテイメントでしかないのです
- 望まない行為をされるから、飲み会、セミナーやカンファレンスに行くことを避ける女性たちを私は知っています。セクハラは(女性の社会参加を邪魔する)民主主義に関わる問題です
勇気を振り絞って、男性の上司に悩みを打ち明けた翌日。セクハラをしてきた男性たちが処分を受けており、「このような上司がいたことに、心の底から感動した」というエピソードも紹介されている。
Photo&Text: Asaki Abumi