『ブギウギ』笠置シヅ子の故郷・相生村の駅! 高徳線 讃岐相生駅(香川県東かがわ市)
10月から放送開始となるNHK連続テレビ小説『ブギウギ』。主人公・花田玲子のモデルは『東京ブギウギ』で知られる昭和の歌手・笠置シヅ子だが、その出身地・香川県大川郡相生村(現:東かがわ市)にあるのが讃岐相生駅だ。
讃岐相生駅は高松と徳島を結ぶ高徳線のうち、高松から数えて19駅目で、隣の阿波大宮駅との間には県境の大坂峠を控えている。ちなみに香川県最東端の駅だ。昭和10(1935)年3月20日、引田~板西(現:板野)間の開通時に開設された。駅名は所在地の相生村から取られたが、山陽本線の相生駅(兵庫県相生市)との混同を避けるために国名の「讃岐」が冠されている。ちなみに相生村は笠置シヅ子だけでなく東京帝大総長を務めた政治学者の南原繁や、作家・瀬戸内寂聴の父・豊吉の出身地でもある。相生村は昭和30(1955)年4月1日の合併で大川郡引田町となり、平成15(2003)年4月1日の合併で東かがわ市となった。
讃岐相生駅の駅舎は開業時に建てられたもので、今年で築88年。国鉄からJRになってまもなく改装されているため、原型は留めていない。四国では近年、木造駅舎から簡易駅舎への建て替えが相次いでいるため、この駅舎もいつ消えてもおかしくない状況だ。
ホームは相対式2面2線。列車は基本的に駅舎側の1番ホームに停車するが、行き違いや特急を対比する際は2番ホームに入る。海に面した平野部に位置し、跨線橋からは集落の向こうに海が見える。周囲が開けているため、あまり県境の駅といった雰囲気はないが、東の方向には険しい県境の山々が立ちはだかっている。
駅前には集落が形成され、秘境駅とは程遠い雰囲気だが、列車の本数は多くない。高徳線のうち県境の引田~板野間は普通列車が7往復しかない。徳島行きは8時22分の次が13時4分、その次が18時29分で、高松行きは7時41分の次が13時31分、その次が16時51分と、日中は6時間近く列車の間隔が開くこともある。ただし、高松と徳島を結ぶ大動脈だけあって特急列車の本数は多く、日中でも一時間に上下各一本ずつは通過する。
停車列車が少なく、訪問難易度の高い讃岐相生駅。『ブギウギ』をきっかけに東かがわを訪れる機会がある方は足を運んでみてはいかがだろうか。
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