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ドコモ「携帯料金のポイント払い」がおトクに 新たな魅力になるか

山口健太ITジャーナリスト
新たに加わる「料金充当特典」(NTTドコモの説明会動画より)

NTTドコモが、2024年10月にdポイント会員向けのプログラムを改定することを発表しました。

その中では、携帯料金などにポイントを充当すると会員ランクに応じておトクになる特典が加わるといいます。ドコモの狙いはどこにあるのでしょうか。

携帯料金などへのポイント充当がおトクに

ドコモのdポイントは、ドコモ回線やドコモのサービスを利用しているかどうかにかかわらず、dアカウントを作れば誰でも使えるものになっています。

その中でも、ドコモの携帯料金などの支払いにポイントを充当するとおトクになるケースが増えています。

まず、昨年10月にはポイント充当の仕組みが変更され、「消費税算出前」の請求金額にポイントを充当できるようになりました。

たとえば携帯料金が税込1650円となる場合、ポイントで全額を支払うには、以前は1650ポイントが必要でした。これが変更され、税抜1500円に1500ポイントを充当できるようになりました。

請求金額が少なくなれば、そこにかかる消費税も少なくなります。ポイント充当を活用している人は、そうでない人よりも消費税の負担が実質的に少なく済んでいることになります。

また、2024年1月からは料金の充当に「期間・用途限定ポイント」を利用できるようになりました。

有効期限が迫ったポイントの使い道は悩ましいものですが、携帯料金のように定期的に発生する支払いに充当するという使い方なら、効率的に消費できます。

そして今回、新たに発表された特典は、ドコモの携帯料金や「ドコモ光」「ドコモでんき」の利用料金にポイントを充当した場合、最上位の5つ星の場合で5%など、ランクに応じて充当額が追加されるというものです。

たとえば5つ星の人が5000ポイントを充当すると、5%に相当する250円分がその翌月の請求に追加で充当されるとのこと。1ポイントが1円を超える価値を持つという意味では、間違いなくおトクな特典といえます。

ランクに応じて充当額が追加されるという(NTTドコモ提供資料より)
ランクに応じて充当額が追加されるという(NTTドコモ提供資料より)

ただ、ドコモの料金にポイントを充当することがおトクになりすぎると、お店などのdポイント加盟店で使われるポイントが減ることになり、経済圏に与える影響が気になるところです。

この点をドコモに聞いてみたところ、「dポイントの大半は加盟店で使われているのが現状。その中で料金に充当できるという特典を、全体をおトクにしていく中でのバリエーションとして用意した」(スマートライフカンパニー コンシューママーケティング部 部長の伊藤邦宏氏)と説明しています。

料金充当特典は期間限定との位置付けで、期限は決まっておらず、終了前には告知するとのこと。今後については「お客様の反応を見ながら継続を考えていきたい」(伊藤氏)としています。

資産形成サービスとの連携はあるか

dポイントクラブでは3か月間のポイント獲得数に応じてランクが上がり、より多くのポイントを獲得できる仕組みです。日常の買い物がおトクになるのはもちろん、それ以外のサービスとも連携しています。

たとえば資産運用では、ロボアドバイザーの「THEO+ docomo」の利用特典として、dカードGOLDで積み立てをするとdポイントクラブのランクに応じてポイント還元率が上がる特典が用意されています。

さらにドコモは、マネックス証券と連携した資産形成サービスの提供を予告していることから、ここでもdポイントクラブとの連携はあるのか、期待したいところです。

ドコモ回線の通信品質には不満の声が上がる状況が続いており、純粋にポイ活を楽しめる状況にないのは残念なところですが、今後始まる「eximoポイ活」とあわせてドコモの動きに注目といえそうです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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