東海道新幹線、「終日寸断」で大混乱 いざというときに知っておきたい東京―名古屋・大阪の迂回ルート
2024年7月22日未明に発生した保守用車両の脱線衝突事故で、東海道新幹線は浜松―名古屋間で終日運転見合わせとなった。1日約36万人が利用する東海道新幹線が寸断されたことから、一部の駅では大混雑となった様子だ。
なかでもSNS上では豊橋駅や浜松駅が大混雑している状況が相次いでアップされた。東海道新幹線はこの日は、こだま号が東京―浜松間で折り返し運転を行ったことから、名古屋から在来線で浜松へ向かう客が集中したようで、在来線の乗換駅である豊橋駅やこだま号の折り返し駅となる浜松駅では駅舎の外にまで乗客の列が伸びている様子などが投稿されていた。
また、東京―大阪間の移動については、この3月に福井県の敦賀駅まで延伸開業した北陸新幹線を迂回ルートとして利用した乗客も見られた。
こうした時に知っておきたいのは迂回できるルートの存在だ。日テレ鉄道部の公式Xでは、東京―名古屋・大阪間の迂回ルートを紹介したところかなりの注目を集めていた。
東海道新幹線が寸断されたときに知ってきたい鉄道の迂回ルートは以下の通りだ。
【東京―名古屋間】
1.新宿駅から在来線特急
新宿→塩尻 特急あずさ号
塩尻→名古屋 特急しなの号
2.長野駅から在来線特急
東京→長野 北陸新幹線
長野→名古屋 特急しなの号
3.富山駅から在来線特急
東京→富山 北陸新幹線
富山→名古屋 特急ひだ号
※富山発の特急ひだ号は1日4本しか運転がないので注意が必要
4.敦賀駅から在来線特急
東京→敦賀 北陸新幹線
敦賀→名古屋 特急しらさぎ号
【東京―大阪間】
5.敦賀まで北陸新幹線
東京→敦賀 北陸新幹線
敦賀→大阪 特急サンダーバード号
6.名古屋から近鉄特急
1~4のルートで名古屋まで行ったあとに近鉄特急で大阪まで行く方法もあります。
これらの迂回ルートは東海道新幹線の輸送力と比較すると圧倒的に輸送力不足に陥ってしまうことから、これらの路線だけでは東海道新幹線を代替させるのは難しいという指摘もある。しかし、利用者の立場からはこうした迂回ルートを知っておくことはいざというときの備えとなる。
今回の騒動で改めて浮き彫りとなったが、事故や災害時に鉄道の幹線ルートが寸断された場合には、日本の経済や暮らしに大きな影響が出ることになる。こうしたリスクを回避する意味でもいざというときのために迅速に活用ができるバックアップ路線を整備しておくことは、日本の国家政策として重要ではないだろうか。
(了)