繊細さんが『適応障害』を発症したら取るべき「対策」とは?
こんにちは、精神科医しょうです。
適応障害とは自分が置かれている環境に上手く適応できずストレスを生み、心身のバランスが崩れて社会生活に支障をきたしてしまう状態を言います。
適応障害はさまざまな要因で起こり得ますが、環境の著しい変化が起こった時に発症しやすいと考えられています。
特に何事に対しても察知しやすい気質を持つ繊細さんは、心身に大きな負荷がかかりやすいため、適応障害を発症するリスクが高い傾向にあると言えるでしょう。
これから新年度が始まるにあたり、今までの環境がガラリと変わってしまう人も多くいるのではないかと思います。
では、もし適応障害を発症してしまったら、どのように過ごせば良いのでしょうか?
今回は、繊細さんと適応障害の関連性とリスクについて考えてみたいと思います。
適応障害の診断と治療法
人は一時的なストレスには耐えることができますが、強いストレスを長く受け続けると心身にさまざまな悪影響が出てきます。
適応障害はストレスを感じてから3カ月以内に発症し、ストレスが解消されれば症状は改善するとされています。
また、ストレス要因がはっきりしていることが多いため、治療法としてまずは原因となっている特定のストレスから離れるなどの「環境調整」と、ストレスと上手く付き合うための「適応法」が取られます。
また、症状によっては薬物による治療や、カウンセリングが行われることがあります。
繊細さんとストレスの関係
生活をしている以上、ストレスを避けて通ることは残念ながらできませんが、自分に合った方法で適応したり、やり方を変えてみたり、時には逃げたりすることはできるのではないかと思います。
また、ストレスといっても対人関係や仕事、疲労などネガティブなものばかりではありません。
結婚や妊娠、成功などの喜びごとも大きな心理的、環境的変化を伴うため心身に負荷がかかってしまいます。
また、繊細さんの場合はたとえ楽しみなことや嬉しいことでも、期待以上に不安が膨らんでしまうとストレスを強く感じてしまう傾向があります。
繊細さんが適応障害を発症したら取るべき対策とは?
人はストレスを受けると、怒りや不安などの感情が生まれます。
それを無理矢理、抑え込んでしまうと脳内のホルモンのバランスが乱れ、心身に深刻な影響が出てきます。
そして、上手く対処できずストレスから抜け出せなくなると、適応障害を発症してしまいます。
適応障害を発症すると、身体面では不眠や吐き気、動悸などが表れます。
また、心理面では焦りや虚しさを感じてしまったり、イライラしやすかったりなど、感情のコントロールが難しくなります。
では、もし繊細さんが適応障害を発症したらどのように過ごすのがベストなのでしょうか?
いくつか考えてみたいと思います。
・ストレス要因から離れる
人間関係や特定の悩みを抱えている場合は、距離を取ったり離れたりすることで、ストレス要因から離れることが大切です。
仕事の場合は、部署や席の配置を変えてもらったり、休職して様子をみたりすることも一つの選択肢となります。
自分にとって、ベストな状況を考え周囲に相談することが必要となります。
・ストレス耐性をつける
ストレスに対しての感じ方やとらえ方を変えていく方法を、カウンセリングなどを通じて習得します。
同じ環境下にいる者同士でも、感じ方次第でネガティブに感じてしまう人とポジティブに感じる人とでとらえ方が分かれます。
適応障害と診断された場合は、まずはストレスによる負荷を減らした状態で、今後、ストレスとどのように向き合い、対処していくことができるのかを医師やカウンセラーと相談しながら治療に専念します。
・自分に厳しくし過ぎない
繊細さんの中には自己肯定感が低く、自分を認められない人がいます。
疲れていても、もっと頑張っている人がいるのに…と、どんどん自分を追い込んでしまいます。
環境の変化が起こった時にも、すぐに適応しなければならない!と自分を急かせたり、奮い立たせたりしてしまう傾向があるため、身も心もヘトヘトなのに、気が付かないこともあります。
もし自分が一生懸命に頑張り過ぎていると感じたら、一度立ち止まり自分の心の声を聞いてみましょう。
疲れたと感じているようであれば、できるだけ一人の時間を作って心身を回復させてくださいね。
・一人で抱え込まない
何事も一人で抱え込まないことが鉄則です。
仕事や学校、家庭で悩みがあるようであれば、信頼のおける相手に相談をしてみましょう。
心の内を吐露することで、気持ちの整理ができ前向きな気持ちになれるハズです。
まとめ
体の不調は比較的気が付きやすい傾向がありますが、心の不調に関して、繊細さんの場合はついつい我慢してしまう傾向があります。
良いことも悪いことも疲労が溜まってしまうということを念頭に置き、自分の気持ちに無理をせず過ごすようにしてくださいね!
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