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箱根駅伝往路 テレビにもっとも多く映し出された大学はどこか

堀井憲一郎コラムニスト
(写真:アフロ)

箱根駅伝は人気のテレビ番組

箱根駅伝は、正月の人気番組である。

お正月の緩やかな時間が、片道5時間以上、走り続けている若者を見るのにちょうどいいのだろう。キラーコンテンツである。多くの人が見ている。

映し出される大学にはかたよりがある

箱根駅伝は参加校は20校、プラス「関東大学連合」があって、つまり常に21人が走っている。

ずっと中継されている。5時間以上、生中継している。

基本は、トップ争いを映しているわけだが、参加校は21もあるから、すべて公平に映るわけではない。よく中継されている大学とそうでもない大学が出てしまう。

全大学が映し出されるポイント

たすきリレーのある中継所と、各区にいくつかのチェックポイントがあり、そこでは全校が映し出される。

1位で通過した大学から、一校ずつ、最後に通過する大学まできちんと映し出される。だからまったく映らない大学はない。

でも逆に、そこでしか映してもらない大学もある。

2025年往路でもっとも映し出された大学

2025年往路で、よく映し出されたいた大学はどこなのか。

もっとも多く映しだされていたのは、中央大学であった。

スタートしてすぐに飛び出し、そのまま安定して5区の途中までずっとトップを走り続けていた。

往路順位は2位だったけれど、映し出されている時間は1位だった。

往路順位と映し出された回数上位10校

以下、よく映されていた順番で大学を並べると、こうなった。

2025年箱根駅伝往路、中継に映し出された回数の多かった大学。

(※計測方法については末尾に記します)

1 中央大学(往路順位2位)

2 青山学院大学(往路順位1位)

3 早稲田大学(往路順位3位)

4 駒澤大学(往路順位4位)

5 東京国際大学(往路順位11位)

6 創価大学(往路順位 5位)

7 國學院大学(往路順位 6位) 

8 関東学生連合(オープン参加 17と18位のあいだ)

9 城西大学(往路順位 7位)

10 立教大学(往路順位 8位) 

のこりの大学

以下

山梨学院大学 神奈川大学 東洋大学 中央学院大学 順天堂大学 帝京大学 

の順であった。

さらに

日本体育大学 法政大学 日本大学 大東文化大学 専修大学

の順だが、このへんは「映ると決まっている部分」以外ではあまり映らなかった大学である。

映し出される回数は順位に近くなる

けっきょく、最終順位が上位の学校がやはり多く映し出されている。

1位から8位がやはり多く映っていたのだ。

それ以外で入っていたのは、東京国際大学と関東学生連合である。

東京国際大学は2区でのエティーリ選手が12人抜きという派手な走りを見せたため、中継機会が多くなった。14位から2位にあがって、また11位まで落ちると、やはり映される機会も多くなる。

関東学生連合が多く映った時間帯

また関東学生連合は、1区で単独2位の時間帯が長かったから、そのときに多く映されたのだ。

1区は中央大学が飛び出してずっとぶっちぎりで1位で、のこりがかたまりで走っていたが、そこから学生連合が飛び出して、単独2位で走ったいたのが長かった。だから回数が多くなる。(特に1区だから、ほかはすべて集団だったので、学連だけがカウントされる機会が多かった)

箱根駅伝で活躍すると大学名が知れわたる

箱根駅伝で大学が長く映し出されると、大学の知名度はあがるわけだ。

順位とは別に、途中、目立って映されると知名度が上がる。

いろんな大学が出たがっているとおもわれる。

箱根駅伝が正月イベントである日本的な意味

関東の大学しか参加できないところがたまに問題視されることがあるが、まあ、地方イベントだったわけだからしかたない。

箱根へ行くってことは、富士山に近づくというイベントで、だからお正月向きである。

江戸城大手門近くから、箱根へ行って帰ってくるのは、江戸らしいお楽しみというところだろう。

そういう意味でもとてもお正月向けのイベントなのだとおもわれる

※映し出されている回数の計測方法

「順位・大学名・選手名・学年・出身」のテロップが出されて、どこの選手なのかがわかった回数を数えた。

複数校が同時に映し出されているときは判別がつかないので、だいたい同走が3校以内の場合に、テロップが出た回数を対象にしている。

中継所など全校が駆け抜けるのを順に映し出すのはカウントしない(全校映し出されるのでカウントする意味がない)。

トップで走っている大学が映し出される回数が多くなり、ついで順位をあげる大学が多くなり(抜かれる大学もカウントされるが)どうしても最後に上に上がっていった学校が多くなる結果となる。

コラムニスト

1958年生まれ。京都市出身。1984年早稲田大学卒業後より文筆業に入る。落語、ディズニーランド、テレビ番組などのポップカルチャーから社会現象の分析を行う。著書に、1970年代の世相と現代のつながりを解く『1971年の悪霊』(2019年)、日本のクリスマスの詳細な歴史『愛と狂瀾のメリークリスマス』(2017年)、落語や江戸風俗について『落語の国からのぞいてみれば』(2009年)、『落語論』(2009年)、いろんな疑問を徹底的に調べた『ホリイのずんずん調査 誰も調べなかった100の謎』(2013年)、ディズニーランドカルチャーに関して『恋するディズニー、別れるディズニー』(2017年)など。

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