カビキラーでおなじみのジョンソン社とジョンソンベビーオイルの関係について
三菱鉛筆は三菱財閥グループと関係ないという豆知識はわりと周知かと思っていましたが知らない人もいることがちょっと意外でした(参考記事)。ついでに書いておくと、日清食品、日清製粉、日清オイリオ等も資本関係はありません(参考Wikipediaエントリー)。
社名は似てるが実はまったく関係ないシリーズ、他に何があるか考えてみましたが、日本の消費者にとってなじみ深い例のひとつがジョンソン株式会社とジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社かもしれません。ジョンソン社の有名な商品としてはカビキラー、スクラビングバブル、パイプフィニッシュ、固めるテンプル、シャット、スキンガード等があります。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の(一般消費者向けで)有名な商品としては、バンドエイド、ジョンソンベビーオイル、リステリン等があります(コンタクトレンズのアキュビューも同社の商品です。)両社とも著名で商品領域がかぶるので、両社を混同している人もいるようで、たとえば、カビキラーをジョンソン・エンド・ジョンソン社の商品としているようなウェブサイトも見受けられます。
しかし、ジョンソン社とジョンソン・エンド・ジョンソン社はまったく関係ありません。ジョンソン社の親会社は米国のSC Johnson社(1886年創業、元々はワックスの会社でした)、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の親会社は米国のJohnson & Johnson社(1887年創業)です。どちらも米国の老舗です。
SC Johnson社のサイトのFAQには以下の記載があります。
両ジョンソン家は親戚ですらないということですね。
この機会に、ジョンソン社のお客様センターにこの件について聞いてみました。まれにジョンソン・エンド・ジョンソン社商品についての問い合わせが入ることがあるので、その場合にはジョンソン・エンド・ジョンソン社の窓口を教えるプロセスになっているようです。それ以外には、特に、ウェブで誤用をチェックしたりとか、両社の協議により混同防止をする等は行なっていないようです。まあどちらも歴史ある米国企業なので今さら特に対策を取る必要はないのでしょう。
ところで、ジョンソン・エンド・ジョンソン社は「ジョンソン」の文字商標をいくつか登録しています(1972年出願の1518736号等)。たとえば、ジョンソンベビーオイルなどに使われています(ウェブサイトには丸Rの表記があります)。これとジョンソン社の関係ですが、ジョンソン社が社名を商標的に使用していることはないと思うので問題ないでしょう(商標として使われているのは「カビキラー」、「パイプフィニッシュ」等々であって、ジョンソンは社名表記でしかありません)。