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210日ぶり登板の鷹・スチュワート「160キロは近い将来に出る」。制球重視でも156キロ連発。

田尻耕太郎スポーツライター

 5月14日、福岡ソフトバンクホークス三軍とヤマエ久野 九州アジアリーグの定期交流戦がタマホームスタジアム筑後で行われた。

 同リーグの火の国サラマンダーズとの第4回戦。黄金週間にリブワーク藤崎台球場で行われた3連戦は火の国の2勝1敗だった。

 この日はソフトバンクが意地を見せ、2-1で競り勝った。

【5月14日 三軍定期交流戦 タマスタ筑後 436人】

火の国    `000001000 1

ソフトバンク `00020000× 2

<バッテリー>

【火】●宮澤、石本、徳橋――深草

【ソ】スチュワートJr.、◯大城、アルメンタ、S加藤洸――石塚

<本塁打>

【火】水本 【ソ】川村

<スタメン>

【火】9松本 6橋中 9水本 3モタ D佐藤 5高橋 4中村 7植月 2深草

【H】6勝連 7荒木 9川村 3黒瀬 2石塚 7早 D居谷 5伊藤 4藤野

<戦評>

 ソフトバンクが四回に川村の2ランで奪った得点を守り抜いた。

 二回からロングリリーフした左腕の大城が6回1失点と好投。六回表に水本のソロを浴びたが、大崩れすることなくアウトを重ねた。最終回は高卒ルーキーの加藤洸が、1点リードの緊張感ある場面の中で走者を背負いながらも無失点で抑え、試合を締めくくった。

 火の国の宮澤は7回5安打2失点。しかし、1球の失投に泣いた。(了)

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日米の話題さらった超有望株も来日4年目

 ソフトバンクのカーター・スチュワートJr.投手が今シーズン初めての実戦登板に臨んだ。

 今季来日4年目を迎えた右腕は、1月の再来日から入国者待機期間を経た後の2月の春季キャンプは筑後C組で調整をしていた。ほどなくして宮崎へ合流するはずだったが、2月中旬に腹直筋を痛めたことでリハビリ組へ。球団コーチは軽症を強調していたが、復帰にかなりの時間を要した。

 ようやく戻れたマウンド。昨年10月16日の「みやざきフェニックスリーグ」の千葉ロッテマリーンズ戦(アイビー/4回1失点)以来、210日ぶりの登板となった。

「三軍ゲームだったけど、約8か月ぶりだったから緊張した」

 先頭打者にはフルカウントから勝負球が惜しくも低めに外れて四球を出した。次打者を遊直ゲッツーに仕留めたが、3番・水本には右前打されて直後には一塁牽制が悪送球になり二進を許した。

 それでもこの要所で火の国主砲のイスラエル・モタ(元巨人)を直球と変化球のコンビネーションで追い込み、最後はカーブで空振り三振を奪った。

 当初の予定どおり、この日は1イニング限定の登板。球数18球で被安打も奪三振も与四球も1で無失点だった。

バランス意識の中で剛速球

 投球結果は平凡だったが、投げるボールはやはり超一級素材そのものだった。

 直球が力強かった。立ち上がりの初球からの3球が154キロ、155キロ、156キロと1球ごとに球速が増していった。この日最速は156キロで何球も投げ込んでいた。

「試合なのでしっかりコントロールをすることが大事。バランスを意識して90~95%の力で投げました。その中でもスピードが出た。自分にとってはいいこと。また、去年はスピードにばらつきがあったけど、今年は安定している」

 この手応えならば、大台がもちろん射程圏内となる。

「160キロは自分が目標としている数字です。一軍のマウンドに呼ばれればさらにアドレナリンが出ると思う。だから近い将来に(160キロは)出ると思います」

 高校卒業時に米大リーグのアトランタ・ブレーブスから1巡目指名を受けながらそれを拒否して、翌年にソフトバンク入りしたことで話題になった右腕。じっくりと育成プランが進められる中で昨年一軍デビューを飾った。昨シーズンは11試合(先発4)に登板して0勝2敗1ホールド、防御率6.08だった。

目標は初勝利

「去年一軍で投げさせてもらって経験できた部分もある。自信がついたのもある。早く一軍で投げてチームを助けたい。まずは初勝利が目標です」

 未完の大器がベールを脱ぐ準備は整いつつある。明日以降も体の状態が問題なければ、次戦は来週木曜日が有力だ。

※写真はすべて筆者撮影

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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