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ソフトバンク栗原陵矢、巨人にFA移籍甲斐の“ささやき戦術”を明かす。攻略へ意欲「喋るし、咳払いとか」

田尻耕太郎スポーツライター
20日、契約更改では大幅アップに一発サインしたソフトバンク・栗原(筆者撮影)

 福岡ソフトバンクホークス・栗原陵矢内野手がFA権を行使して巨人に移籍した甲斐拓也捕手との“対決”に思いを馳せた。

 公私ともに仲が良かった栗原は「まだ実感がない」「寂しい」と率直な気持ちを口にした。

「FA宣言した時からいろんなことを聞いていて。どうかなと思って『決まりました?』『どうですか?』と何回も訊ねていました。決まった時は寂しかったし、やっぱ行くか、と」

 移籍発表の翌日も食事を共にしたと明かした。

「普段通り過ぎて。それで実感がないのもあります。ただ、やっぱり寂しいなという話にはなりました。ただ、野球の話より『千葉(の遠征)やったらすぐに(東京都内に)来れるやろ?』っとか『3月のオープン戦のところは予定空けといてよ』とか、そんな話ばかり(笑)。そこは僕も楽しみですね」

 ソフトバンクと巨人は2月に宮崎市内でキャンプを行うほか、オープン戦は3月11日に長崎、12日と13日はみずほPayPayドームで計3連戦を行う。そしてペナントレース開幕後のセ・パ交流戦では6月10日から12日までの3連戦が、再びソフトバンクのホームゲームで行われる予定となっている。

「甲斐さんから盗塁を決めるのは無理(苦笑)。いい打席を、いいスイングをするなって思わせたい」

 ちなみに、甲斐がマスクをかぶった場面で打席に立つことは、これまでも紅白戦などでは経験をしている。栗原はその時のことを思い出して小さく笑みを浮かべた。

「よく喋ります。喋るし、咳払いとか、鼻をすすったり。他のキャッチャーではあんまりいないですね。ここまでしつこいキャッチャーは(笑)。集中力を乱す感じでやってくると思うんですけど、しっかり打ちたいです」

昨年WBC出場時の甲斐拓也
昨年WBC出場時の甲斐拓也写真:CTK Photo/アフロ

 甲斐は、かねてより尊敬してやまない野村克也氏の“ささやき戦術”の使い手だというのだ。

「僕の印象は、自分のやることは曲げないですし、自分の考えを曲げないですし、他人に流されることなくやる先輩。強いなと思いました」

 最高のプレーで思いっきり対峙するのがなによりの恩返し。2025年のソフトバンク対巨人は、かなり見ごたえある対戦になりそうだ。

 また、栗原は20日、みずほPayPayドーム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、8700万円増の年俸1億5000万円でサインした(金額は推定)。「しっかりと上げていただいて評価してもらいました」。プロ10年目だった今季は140試合に出場し、打率.273、20本塁打で自己最多の87打点をマークしてリーグ優勝に貢献。三塁の守備でもゴールデン・グラブ賞を初受賞した。さらに、今秋にはプレミア12にも出場して侍ジャパンの準優勝の力にもなった。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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