Yahoo!ニュース

iDeCoは改悪なのか?掛金の拡大と受取時に課税されるリスク #専門家のまとめ

花輪陽子シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

自民、公明両党が2024年12月20日にまとめた2025年度の与党税制改正大綱では、個人型確定拠出年金(iDeCo)の一時金を受け取るときの課税を強化する内容も盛り込まれていて、ネットでは議論が起こりました。多方で、掛け金の上限が多くの方にとって月7000円程度引き上げになりました。特に企業年金のない会社員にとっては大幅に枠が上がることになります。今回、iDeCoの改正は多くの方にとってメリットになるのでしょうか。分かりやすく解説したいと思います。

ココがポイント

7年度税制改正では、この5年ルールが「10年ルール」に見直された(中略)このルールは8年1月から支給の一時金に適用される
出典:産経新聞 2024/12/26(木)

会社の定年は60歳だという方がまだまだ多い中、この5年ルールを器用に使える方は、ごく一部である
出典:Money Plus 2024/12/31(火)

iDeCo月7000円控除up 制度のおさらいとこれから変わること

エキスパートの補足・見解

これまでは受け取り方によって退職所得控除を別々に二重に使えるといった不公平な状態が生じていたために、今回の改正で見直しが入りました。米国の401Kやシンガポールの類似制度でも積立時の所得控除と運用時の非課税はあるものの、受取時は原則として課税されます。現役時代の高い税率を繰延させ、退職時の低い税率で課税されるという発想の国が多いと感じます。そのために、今回の改正は仕方がないことだと感じます。それよりも、多くの方に取って枠が大きく広がったというメリットにも注目してもよいと感じます。また、60歳まで引き出せない制度で、税制も変わるリスクもあるために、NISAと併用して全てをiDeCoに集中させないなどでもリスクを分散できる可能性が高まります。また、退職金など個人で大きく異なるために税理士等に確認をして受け取り方などを慎重に考えることをおすすめします。

シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

外資系投資銀行を経て、スイスのファミリーオフィスでウェルスマネジメントに従事。日本人の海外移住や資産運用、海外富裕層の日本移住のサポートも。著書に『世界標準の資産の増やし方』(東洋経済新報社)、世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏の翻訳書を多数出版、『ホンマでっか⁈TV』等TV出演多数 お仕事の依頼は fp@yokohanawa.com へお願いします。花輪陽子のシンガポール富裕層の教え https://www.mag2.com/m/0001687882.html 花輪陽子のnote https://note.com/yokohanawa 

アジア富裕層から学ぶお金が貯まる習慣

税込660円/月初月無料投稿頻度:月2回程度(不定期)

著者が住むシンガポールには世界中から超富裕層が集まります。特に中華系やインド系はお金の使い方全てが投資目線で、余分な支出を体脂肪率に例えるとゼロに近い! 彼らから学んだ、普通の人から富裕層にジャンプアップする考え方や技とは? 日本には将来が不安でお金を使えない人が多いのですが、お金は有効活用して初めて増えるもの。収入、支出、資産運用(不動産、金融)など、楽しみながら自然とお金が貯まるように指南します。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

花輪陽子の最近の記事