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「103万円の壁」123万円へ 恩恵を受けるのは誰?多くの人には小さな減税に! #専門家のまとめ

花輪陽子シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)
筆者作成

国民民主党は「103万円の壁」の見直しを主張し、所得税の基礎控除などの額を現在より75万円引き上げて、「178万円」にするよう求めていました。

自民、公明両党は19日、「年収103万円の壁」の見直しについて、「123万円」に引き上げて来年度の税制改正大綱に明記する方針を決めました。

今回、このテーマは国民にとって非常に注目され、議論されてきたテーマですが、そもそもの金額が小さかったり、中身を見ると全ての人が大きな恩恵を受けられるわけではなかったりとするようにも感じます。

ココがポイント

基礎控除(48万円)と会社員らの経費を差し引く給与所得控除(55万円)(中略)10万円ずつ引き上げ、課税水準を123万円
出典:毎日新聞 2024/12/18(水)

住民税の控除額については、基礎控除は据え置き、給与所得控除を、現在より10万円引き上げる方向
出典:NHK 2024/12/18(水)

「自民公明の現在の与党案については、500万円~600万円の世帯で年間1万円の減税」
出典:TBS CROSS DIG with Bloomberg

年収の壁123万円調整 経済効果は不十分? マーケットと為替のふりかえり(12/8-14)

エキスパートの補足・見解

25年分の所得から20万円控除が増えるという内容ですが、その中身を見ると、全ての人に恩恵がある基礎控除の増額は所得税で10万円に留まります。また、住民税の基礎控除は増えない予定です。

会社員の経費にあたる給与所得控除の最低保障額(55万円)を所得税と住民税で10万円ずつ引き上げる案ですが、会社勤めで給与所得が少ない人にとっては一定の恩恵はありそうです。

今回、特定扶養控除(年齢が19歳以上・23歳未満の人を扶養する親の控除額は63万円)を受ける際の子供の年収制限は150万円まで引き上がる予定です。このラインに合わせてくるのかと思っていたので、非常に残念でした。

企業でパートで働いている方、大学生などは壁が少し引き上がるのでもう少し働けるようになるかもしれません。大学生を扶養する親には恩恵はあるでしょう。しかし、多くの方にとって恩恵が大きく、経済効果が期待された基礎控除を大きく引き上げる案からは遠く離れているように感じます。

海外では毎年物価などに合わせてフレキシブルに控除を変える国もあります。限られた予算内では難しいかもしれませんが、今回だけではなく来年も議論いただきたいと感じました。

シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

外資系投資銀行を経て、スイスのファミリーオフィスでウェルスマネジメントに従事。日本人の海外移住や資産運用、海外富裕層の日本移住のサポートも。著書に『世界標準の資産の増やし方』(東洋経済新報社)、世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏の翻訳書を多数出版、『ホンマでっか⁈TV』等TV出演多数 お仕事の依頼は fp@yokohanawa.com へお願いします。花輪陽子のシンガポール富裕層の教え https://www.mag2.com/m/0001687882.html 花輪陽子のnote https://note.com/yokohanawa 

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