「豚煮夢中になりませんか?」クサくない濃厚豚骨スープにブランド麺が豚骨王国に新たな風を吹き込こんだ。
2024年4月17日オープン
博多駅南にオープンした新店は、最近、非豚骨ブームに押されがちの豚骨王国で、濃厚豚骨一本勝負のお店。また店名もインパクト大で、なんと「豚煮夢中」。豚骨を忘れかけた博多の人々に新たな風を吹かせるお店ではないでしょうか。
特に昨年などは、福岡のラーメンの新店の割合は、〈豚骨:4割〉に対し〈非豚骨:6割〉という豚骨ラーメン発祥の地とは思えない割合となっています。
そんな中、原点回帰のように豚骨一本勝負、しかも濃厚というのだから、博多の豚骨ファンにとって嬉しい限りです。
場所は博多駅から南へ向かい徒歩10分ちょっと、東住吉公園のすぐ傍のマンションの1階です。以前はうどん屋さんがあった場所ですね。
沖縄からの出店
これだけガッツリ豚骨のお店ながら、なんと、沖縄のソーキそばのお店が出店しているそうです。沖縄出身ながら、博多の街でがっつり豚骨勝負という心意気が素晴らしい。〈らーめんと酒の肴のお店〉と謳っていて、夜は一品メニューも豊富な居酒屋スタイルとしても楽しめます。
長いカウンター席と店奥にはテーブル席もあり、スタイリッシュな感じのとっても綺麗なお店です。
味玉豚骨ラーメン
メニューは濃厚豚骨と豚骨ラーメンの2種類。これは、〈濃厚とあっさり〉という考え方ではなく、〈濃厚か、さらに濃厚か〉という考え方です。こちらは味玉がトッピングされた味玉豚骨ラーメン。泡立つ濃厚さが伝わるスープに、チャーシューとネギとキクラゲがトッピングされ、真ん中の味玉には焼印が。この手の込んだ細かな技も素晴らしい。
クサくない
ノーマルの豚骨でもなかなかの濃度です。博多豚骨の中でも濃厚な部類に入るとは思いますが、不思議とクサくないんです。あの豚骨臭がない。普通であれば、濃厚になればなるほど豚骨臭は強くなるものですが、これなら、匂いが苦手なんて思う女性にもおススメですね。
豚骨の風味がガツンとくるスープ。カエシの塩味は強くはなく、トロりとまろやかでクリーミーな味わい。しっかりと炊きこまれた感もあり、まさに濃厚。もう一つ上の濃厚豚骨ラーメンはどれくらいの濃厚さが気になるくらい。このノーマル豚骨でも臭みなく重くなく、十分に美味しい豚骨を味わえる。
そして麺は製麵屋慶史、これがさすがのチョイス。濃厚豚骨には太麺を、この豚骨には中細麺を特注で組合せるのはさすがブランド麺。これだけ濃厚にこだわるスープを絡め引き立てる、味わいも食感も素晴らしい。このクリーミーなとろける濃度のスープには中細くらいがバッチリです。
小ぶりながらも脂感も程よく柔らかいチャーシュー。むしろこの脂感が美味しい。どこまでも豚にこだわっています。だからこそ、「豚煮夢中になれる」のかもしれません。
卓上にはゴマや七味、ラーメンのタレ。この豚骨にはゴマはたっぷりかけても美味しいですね。
ラーメンメニューはごくシンプル。濃厚か豚骨かの二択。トッピングのタマネギや辛ダレもよく合いそうです。豚骨王国と呼ばれる街で、非豚骨が勢いを増し続ける昨今。その中で沖縄から登場したお店がこれだけ豚にこだわる、そして濃厚さを追求するスタイル。これは、豚骨発祥の街に、新たな風を吹き込んだ一杯と言えるかもしれません。
豚煮夢中 -BUTANI MUCYU-
住所:福岡県福岡市博多区博多駅南2丁目9−39
営業時間:11時30分~15時00分
18時00分~23時00分
定休日:日曜日
駐車場:近隣有料