新潟県えちごトキめき鉄道のハロウィンイベント
えちごトキめき鉄道(新潟県上越市)では10月29日に『直江津D51レールパーク』でハロウィンイベントを開催しました。
社員の有志が思い思いの仮装をしてお客様をお出迎えする。
そのお客様も思い思いの仮装をしてご来園いただくというイベントで、SLのD51や保存されている国鉄形電車の前で、皆さんそれぞれ記念撮影をされるのをお手伝いさせていただくという企画です。
当日は寒く、お天気も今一つでしたが、そんな中でも百数十名のお客様にいらしていただきました。
皆様、思い思いに楽しんでいただいたようです。
では、なぜこんなイベントを開催したのか
というと、鉄道でご家族の思い出を作っていただきたいからです。
今、地方都市ではどこも車社会で、学校を卒業すると免許を返納するまで地元の皆様方は日常の生活で鉄道を利用しません。
でも、このような話題を提供することで、ご家族でいらしていただいて、写真をたくさん撮って、それが思い出になっていく。
ご家族の楽しい思い出の中に鉄道が顔を出すことができると考えるからです。
社員の有志に仮装をしてもらったと書きましたが、社長である筆者ももちろんこんな衣装でお客様をお出迎え。
この日はバナナマンの衣装を着て「バナナ社長」になり切りました。
なぜ、バナナ社長?
実は、えちごトキめき鉄道は千葉県の銚子電鉄と姉妹鉄道締結をしています。
銚子電鉄はぬれ煎餅の売上で鉄道の赤字を埋めている会社として有名ですが、ぬれ煎餅以外にも力を入れている商品がいろいろありまして、その一つが「バナナ車掌」というカステラです。
筆者は銚子電鉄の竹本社長さんとは旧知の間柄で、竹本社長さんは寒いオヤジギャグを連発することで有名な方ですから、こちらも負けてはいられない。
ということで筆者が「バナナ社長」になって、「バナナ車掌」を売って姉妹鉄道としての使命を果たしましょうという行動に出たのです。
「バナナ社長」が「バナナ車掌」を販売して、用意した約100個がたちまち完売。
こんな鉄道会社があってもいいではないでしょうか。
でも、実はこれ、弊社の営業部の企画なんです。
「社長、こういう企画を立てましたから、この衣装で売ってください!」
つまり筆者としては戸惑いながらも、一生懸命バナナ社長をやらせていただいたのですが、こうして社長自ら陣頭指揮を取ってイベントを行うというのはえちごトキめき鉄道の「当たり前の姿」でありまして、こうすることで社内の士気も高まって、地域に根差す会社になるという経営戦略なのであります。
社長自らこんなことをされたのでは、さぞかし幹部の人たちもやりづらいだろうなと思われる方もいらっしゃると思いますが、決してそうではありません。
この方も部長職の経営幹部であります。
こうして、えちごトキめき鉄道のハロウィンイベントは無事に終了しました。
安全正確に列車を走らせるのはもちろんですが、人口減少の地方都市において、地域鉄道はそれだけでは会社を維持していくことはできません。
安全正確のベースの上に、何を積み上げることができるかが求められているのです。
昨今、暗いニュースが多い中で、ローカル鉄道は楽しい話題をお届けするツールになりたいと考えています。
皆様方がお住いの近くにローカル鉄道が走っていましたら、ぜひ応援をよろしくお願いします。
※本文中に使用した写真はすべて筆者撮影のものです。