悩み「北欧の物価、高すぎ!」を民泊が解決? Airbnbは脅威かチャンスか
北欧の訪問者を襲う、ふたつの課題がここにあります。
- 物価が「超」高い。旅人はお金に加えて、節約を考えることにエネルギーと時間を使いすぎる
- 語学勉強をしたい。でもホームステイ先が見つからない
ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、デンマークを出張していて、私は気づきました。
そんな「節約旅行」と「語学勉強」問題を、大幅に解決してくれそうなものがある。
「民泊」です。
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北欧というと物価が高いので、ホテルでの宿泊費がばかにならない。
嬉しいことに、Airbnbができてから、お手頃価格で旅がしやすくなりました(ちなみに、これは広告ではなく、自腹記事です)。
私は選挙取材が多いため、現地の人と交流をしたい。「まるまる貸切」ではなく、「自分専用の個室+ご家庭の人とキッチンなどを共有する」部屋タイプを選ぶことがあります。
- 現地の人から地元ネタを聞ける
- 地元の人の暮らしをリアルに見ることができる
そして、予想外の発見が
- ほとんど「語学ホームステイ」に近い
短期の語学留学で「ホームステイ」は人気だと思いますが、北欧ではこれが大変なんです。
基本的にシャイな国民性なので、見知らぬ人を受け入れる「ホームステイ」カルチャーが北欧諸国にあまり浸透していない。
ステイ先探しに困っている人の話は、これまでも耳にしていました。
ところが、Airbnbという形ができた途端、世界中からの旅人に、お家のドアを開ける人が増えた!
私はノルウェー語がわかるので、スウェーデン語とデンマーク語はなんとなくわかるのですが、それでも新聞を読んでいて、「?」となることもあります。
そういう時に、ホストがいれば、居間でさらっと質問できます。リスニング力をアップさせたければ、現地語で話してもらえるようにお願いできる。
ステイ先の方々は英語が話せるのが普通なので、英語の勉強にもなります。
私はフィンランド語を勉強中。
フィンランド出張中に何度か民泊をしたのですが、これが最高のホームステイにもなったんです。
語学勉強もできていたことを考えると、もはや民泊の宿泊料金は「コスパがよすぎ!」と思いました。
私がノルウェーに11年前に引っ越してきたときは考えられなかった、新しい環境です。
現地の人と居間やキッチンでおしゃべりしている時に、記事になる新しいネタやアイデアもたくさんうまれました。
北欧諸国で20か所ほどをこれまで滞在してきて、「ちょっと失敗した」と感じたのは1か所だけででした(バスルームが汚めだったとかで)。
「不親切だな」とか、「ちゃんと対応してもらえなかった」というようなことは一度もありません。
失敗談があれば、それはそれでネタになるなと思って構えていたのですが、楽しかった思い出しかない。
なぜだろう?と考えたのですが、
- 「スーパーホスト」という評価が高い人を優先して選んでいる
- 「よかったよ!」という滞在者たちからのコメントが多い人を選んでいる
あと、私はどんどん自分から話しかけて、いろいろ聞いて、仕事や語学勉強に役立たせているので、その分の自己満足度が高いのかもしれません。滞在体験をどう楽しむかは、自分次第。
ご家庭の人と一部を共有のほうが、宿泊費が貸切よりも安くなるのもよい。
ちなみに、宿泊料金に「朝食の用意」もセットだと、食費が大幅に節約できます。現地のスーパーで朝ご飯を用意していると、じわりじわりとお金が財布から消えていく。
北欧の物価って、もはやため息が連続するレベル。
オスロのカフェのバリスタたちが教えてくれたのですが、現地の料金が高すぎるので、「レシート」とコーヒーを一緒に記念撮影する日本人旅行者、意外と多いそうです。
旅行中って、観光スポットには行くけど、現地の人と交流できる機会って限られませんか?自分を新しい環境において、脳をリフレッシュさせたいなら、民泊もよいかも。
ちなみにどれくらい安くなるかというと、それは選ぶ部屋タイプとかによるのですが、ホテルよりはだいぶ安くなります。
クレジットカードの請求額を気にしすぎると、行動や考えが制限されがちです。
民泊を初めて試すときはドキドキしましたが、勇気を振り絞って飛び込む価値のある世界でした。
今回は私の個人的な体験がベースの内容なので、人によって意見は異なるでしょう。
北欧に来ることがある時は、一部のお悩みを民泊はもしかすると解決してくれるかもしれません。
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※ノルウェー経営者連盟(NHO)は、Airbnb、テント、キャンピングカーなどを利用する旅人が多いことから、宿泊業界への影響を調査。
結果、前年度に比べて2018年のAirbnb利用率は45%上昇、ホテルは2%のみ(国営局NRK記事)。
これを「脅威」として否定的に捉える人と、「時代の変化であり、さまざまな宿泊オプションがあってよいだろう」という、いろいろな意見があります。
Text: Asaki Abumi