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那覇男子一生の誉れ!男気あふれる道じゅねーはたくさんのサポートが必須だった【那覇市】

ユミ地域情報発信ライター(那覇市)

以前、牧志公設市場がリニューアルオープンしたと紹介しました。

その時に旗頭の演舞の写真を撮って記事を書いたところ、その旗頭の「久茂地盛鶴(むいじる)保存会」の方が私の記事を読んでくださいました。

これがきっかけで、「久茂地盛鶴(むいじる)保存会」の方とご縁を頂いたので潜入取材をさせていただけることになりました。旗頭道じゅねーについて、潜入レポ形式でお届けします。

旗頭(はたがしら)とは

17年の那覇大綱挽での旗頭
17年の那覇大綱挽での旗頭

那覇大綱挽には欠かせない旗頭。旗頭の歴史は古く、「村のシンボル、まもり神」として大切にされています。

那覇大綱挽は那覇の町を東西に分けて、その勝敗を競います。

東の旗頭:東一番、安里、壺屋、泊、久茂地、首里、真和志

西の旗頭:西一番、辻、久米、若狭・松山、垣花、泉崎、小禄

久茂地の旗頭は久茂地盛鶴(むいじる)保存会と言います。

上の写真のピンクの「與鳳翔(よほうしょう)」の旗字が久茂地盛鶴(むいじる)保存会の一番旗です。

盛鶴(むいじる)とは、千年の寿命をもつといわれる鶴に松竹梅を配し慶びごとが永く続くようにと願いが込められた、とてもおめでたい旗頭です。

道じゅねーの潜入レポ

牧志公設市場リニューアルオープンの際の旗頭。右が大人の旗、左が子供の旗です
牧志公設市場リニューアルオープンの際の旗頭。右が大人の旗、左が子供の旗です

旗頭の本番は那覇大綱挽が開催される2023年10月8日です。

本番に先立ち、道じゅねーを行って演舞することで、皆様のご健勝と地域の活性化を願います。道じゅねーはエイサーだけではないのですね。

久茂地盛鶴(むいじる)保存会としては演舞をお披露目できる素晴らしい機会であり、地域のお店の方々からは嘉例(かりー・めでたい先例の意味)がついて商売繁盛に繋がると心待ちにされています。

23年の道じゅねーは9月15日に久茂地2丁目の美栄橋駅側からスタートしました。

車と一緒に進むので、一筆書きでルートを決める必要がありますね。

それぞれの地域の旗頭には複数の旗があり、久茂地盛鶴(むいじる)保存会の道じゅねーの際の旗頭はこちらです。

久茂地盛鶴(むいじる)保存会の道じゅねー
久茂地盛鶴(むいじる)保存会の道じゅねー

この旗は「紫雲(しぐむ)」です。旗字は「含露涼」 で、読みは「がんろりょう」です。 紫雲は凱旋の旗で、戦いを終え暁の空に浮かぶ月と朝露に濡れた草木の清々しい様子をあらわしています。

夜は電気がついてとても美しいです。

たくさんの方々の協力で成り立つ道じゅねー
たくさんの方々の協力で成り立つ道じゅねー

久茂地盛鶴(むいじる)保存会は男性が旗を持ちます。久茂地盛鶴保存会の特徴は”がっそう”という旗頭に繋がる綱を使わないことです。走行する車や電線に注意しつつ、演舞をするのは大変です。美しい旗をあげることが”那覇男子一生の誉れ”とされているのも納得です。美しい演舞は鐘や太鼓などでリズムを取り、こちらはおもに女性陣が担当します。

あらかじめ、道じゅねーのご案内をお届けして演舞の許可を頂き、久茂地盛鶴(むいじる)保存会を応援してくださるお店の前で旗頭の演舞を披露します。

信号機より高い旗頭
信号機より高い旗頭

久茂地橋界隈は久茂地盛鶴(むいじる)保存会を応援してくださるお店様が多いので、あちこちで演舞します。交通量の激しい道路での演舞なので交通整理をする方や、飲食店にお声をかける方など、たくさんの方の協力が必要であり、旗頭が地域で大切にされていることが実感できました。

爆竹を鳴らすのが中国っぽいですね。美しい演舞は男気があふれ、陰ひなたに支える女性たちの頑張りも不可欠です。

お店のスタッフやお店を利用していたお客様、偶然歩いていた方などたくさんの方が見ていました。「もうそんな季節か」なんて話し声も聞かれ、地域のまもり神であることがよくわかります。

道じゅねーまでの道のり

感染拡大防止のため、那覇大綱挽は20年21年と中止になりました。22年は規模を縮小しての那覇大綱挽の開催となったため、道じゅねーも行えませんでした。4年ぶりの道じゅねーの再開ですから、準備がとても大変だったのです。

旗頭の練習風景
旗頭の練習風景

美しい旗頭の演舞のためには、地味な練習がマストです。仕事を終えてから公園に集まり練習を繰り返します。職場や家族の理解や協力も必要になるので、旗頭を続けていくのは並々ならぬ覚悟が必要だと思われます。

男性としては美しい演舞で”那覇男子一生の誉れ”を目指し、女性陣は陰ひなたで男性陣を支えるところにロマンを感じます。

事前に演舞の許可を頂きます
事前に演舞の許可を頂きます

道じゅねーを行うためには、あらかじめお店様にお声をかけて、演舞の許可を頂く必要があります。このお店めぐりにも同行させていただきました。

4年ぶりと会って、ご贔屓筋のお店がなくなってしまったり、業務形態が変更になってしまったり。また新しいお店などもオープンしていて、久茂地盛鶴(むいじる)保存会のメンバーの方々は4年前のことを思い出しつつ、また道じゅねーのルートを考えつつのお店めぐりだったので戸惑いが多かったことが感じられました。4年の年月は想像以上に長かったのです。

久茂地盛鶴(むいじる)保存会の道じゅねーのスケジュール

久茂地盛鶴(むいじる)保存会の道じゅねーのスケジュールはこちらです。

2023年9月15日(金):19:00~22:00 久茂地2丁目美栄橋駅側

2023年9月16日(土):19:00~22:00 久茂地2丁目パレット側

2023年9月22日(金):19:00~22:00 久茂地3丁目

2023年9月23日(土):19:00~22:00 牧志1丁目

※天候などの影響により、変更となる場合があります。

”那覇男子一生の誉れ”を見に、また嘉例(かりー)がつくように、旗頭の道じゅねーを是非見に行ってください。那覇大綱挽がより一層楽しめますよ!

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地域情報発信ライター(那覇市)

東京都出身、那覇に移住して14年目です。沖縄の暖かい気候とおいしい食べ物や作り手との距離の近さに魅せられたので、もうどこにも行かないわ~と思ってます。那覇市の魅力をお届けします。

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