危険な暖湿流が長期流入へ、梅雨最盛期の大雨災害に長丁場の警戒を
危険な暖湿流が流入し続ける
おととい25日(日)は沖縄地方で、そしてきのう26日(月)は奄美地方で梅雨明けの発表がありました。南西諸島で梅雨が明けると、梅雨前線が北上するということで、いよいよ本州付近の梅雨は最盛期の状態に入るステージとなります。
上図は暖かく湿った空気の流れ、暖湿流の予想を表したもので、空気中の水蒸気が多いほど、また気温が高いほど暖湿流の数値が高くなります。特に図中で赤色に着色された345K以上の暖湿流は、梅雨時をはじめ、過去に大きな大雨災害をもたらしたような際立った危険な暖湿流といえるもので、今週末から来週にかけて、中国大陸や沖縄方面から継続して本州付近へ流れ込む予想となっています。
今年も本州付近にこの危険な暖湿流が継続して流れ込む季節がやってきました。言葉が悪いのですが、これは本州付近で、梅雨末期の大雨期の幕開けということがいえる状態となります。危険な季節の到来です。
断続的に大雨のおそれ、線状降水帯の発生懸念も
際立った暖湿流の影響で、30日(金)頃から梅雨前線付近で活発な雨雲が発生する予想で、この状態は強弱を伴いながら、今週末から来週にかけて、長期間、継続する計算です。
雨雲がより強化されれば、数時間で集中的に大雨をもたらすような線状降水帯が発生してもおかしくないような気圧配置となるおそれもあり、また線状降水帯が発生しなくとも、あちらこちらで大雨となるおそれがあります。梅雨前線の活発化に十分な警戒を要します。
警報級の大雨に警戒するよう呼びかけが
気象庁からは、すでに30日(金)以降、九州や北陸地方で警報級の大雨となるおそれがあるとして、早期注意情報で警報級の可能性が[中]と発表されています。もちろん九州や北陸地方以外でも油断ならずで、今週末から来週にかけては、いつどこで大雨が降ってもおかしくない状態が続きそうです。(早期注意情報とは)
南西諸島で梅雨が明け、本州付近で梅雨が最盛期に
ウェザーマップが発表している10日間予報では、来週にかけてズラリと傘マークが並び、西日本を中心に雷を伴う予報も多く出されています。際立った暖湿流が最も流れ込みやすい九州を中心に、断続的な大雨に注意、警戒が必要な状況です。
なお、東京は西側に高い山があるため、大雨の懸念は小さい場所ではありますが、それでも時折雨は降り、暖湿流の状況によっては雷雲の発生する日があってもおかしくありません。
また全国的に多量の湿気で、かなりの蒸し暑さが続きますので、大雨はもちろん、熱中症にも十分な警戒が必要です。