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【KHL】え!? シュートを打ったわけじゃないのに、「ゴール」が記録された選手が現れた???

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
平昌五輪カナダ代表ロブ・クリンクハンマー(Courtesy:@Condors)

 10月も残り少なくなり、少しずつ冬が近づいてくるのとともに、ウインタースポーツシーズンが到来。(北半球の)各地でアイスホッケーの試合が行われています。

▼KHLがウィーンで公式戦を開催

 ロシアをはじめヨーロッパとアジア(中国)の7か国25チームが加盟しているKHL(コンチネンタル ホッケーリーグ)は、週末(現地時間)にホームチームのないウィーン(オーストリア)で、公式戦を2試合開催しました。

▼KHLの牙城を守れ!

 これまでも、KHLのチームがホームタウン以外で試合を開催したことはありましたが、今回は「KHLワールドゲームズ」と銘打って、プロモーションにも注力。

 その理由は、NHLが再びヨーロッパ進出へ舵を切り、公式戦を開催するようになったためなのは明らか。

 「KHLの牙城を守れ!」とばかりに、ヨーロッパ屈指のビッグリーグも負けてはいない模様です。

▼KHLの公式戦で起こった珍事!?

 そのKHLでは、週末にハバロフスクで行われた試合で、「え!?」と、思わず耳を疑ってしまうような出来事が起こりました。

 どのような出来事かというと、、、

シュートを打ったわけではないのに、「ゴール」が記録された選手が現れた

 ことです! 

 そのゴールは、どのようなものだったのか、動画でご覧いただきましょう。(当該プレーの頭出しが機能できない際はツイッターの動画をご覧ください)

▼エンプティネット

 アイスホッケーでは、試合の終盤でリードを許しているチームが、同点を狙ってGKをベンチへ戻し、得点力の高い選手を出場させる「エンプティネット」を仕掛けます。

 以前は「1、2点のリードを許しているチームが、残り時間1分前後から」エンプティネットを仕掛けて、全員攻撃に移るのが標準と言われていました。

 しかし近年は、仕掛けが早まり「残り時間2分前後から(あるいはそれよりも早く)」全員攻撃を仕掛けるチームが、多く見られるようになっています。

▼認定ゴール

 動画で紹介したシーンは、相手ゾーンからのフェイスオフ(ラインズマンが落としたパックをスティックで奪い合う)際に、ホームチームのアムール ハバロフスク(オレンジ)がエンプティネットを仕掛けました。

 ところが、AKバルス カザニ(白)の選手にパックを奪われてしまい万事休す・・・。

 ハバロフスクの選手は、何とかしようとパックをキープしているカザニの選手の背後から、スティックを使って相手選手を転ばせ、シュートを打たせませんでした。

 しかし、レフェリーのジャッジは「スコア(得点)!」

 「このペナルティがなければゴールが決まっていた」という、いわば認定ゴールで、カザニに4点目が加わったのです。

▼シュートを打ったわけじゃないけれど「ゴール」!?

 26日配信の記事でも触れたとおり、このようなケースでは、アイスホッケーの場合「得点したチームの最後にパックに触った選手」に得点が記録され、サッカーで見られる「オウンゴール」という記録は存在しません。

 そのため、ハバロフスクの選手にペナルティをされるまで、パックをキープして攻め込んでいった ロブ・クリンクハンマー(FW・32才/タイトル写真)は、ゴールを狙う前に倒されて、シュートを打ったわけではなかったものの、ゴールが記録されました。

▼運気がアップしている選手!?

 クリンクハンマーは、身長192センチ体重102キロのサイズをアピールしようと、ファイティング(乱闘)も辞さないプレースタイルで、NHLやKHLなどでキャリアを積み重ねてきた選手。

 スタープレーヤーだとは呼べませんが、昨季はNHL選手が出場していれば、選ばれることはなかった「ピョンチャン(平昌)オリンピック」に、カナダ代表の一員として出場。

 さらに、所属していたカザニがKHLのチャンピオンに輝くと、何やら運気がアップしている気配も!?

 もっともそれは、常に体を張ってチームのために尽くしているクリンクハンマーに、ホッケーの神様が微笑んでくれたのかもしれません。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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