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肌にも環境にも優しい「ノンケミカル日焼け止め」で紫外線対策:日焼け止めの成分は体内に吸収される!?

TOUYA化学系研究者

夏真っ盛りの今、紫外線対策がますます重要になります。しかし、敏感肌やアレルギー体質の方には、一般的な日焼け止めに含まれる化学成分が刺激となることがあります。また、日焼け止めの成分が環境に与える影響も懸念されています。そこで注目されるのが「ノンケミカル日焼け止め」です。今回は、ノンケミカル日焼け止めの特徴や選び方についてご紹介します。

ノンケミカル日焼け止めとは?

ノンケミカル日焼け止めは、合成化学成分を使用せず、天然由来の成分を中心に作られた日焼け止めです。一般的な日焼け止めに含まれるオキシベンゾンやオクチノキサートといった紫外線吸収剤は、海洋生物に悪影響を与えることが知られています。特に、サンゴ礁にとっては致命的なダメージとなっており、サンゴの白化を引き起こし、サンゴ礁の健康を脅かしています。ノンケミカル日焼け止めは、こうした紫外線吸収剤を使用せず、紫外線散乱剤を主成分としています。

ノンケミカル日焼け止めの主な成分

酸化亜鉛(Zinc Oxide):

UVAとUVBの両方をブロックする効果があります。

金属アレルギーの方には肌に合わない場合もあります。

二酸化チタン(Titanium Dioxide):

UVBを防ぎ、軽い付け心地が特徴です。

金属アレルギーになりにくい成分です。

これまで化学物質は皮膚の表面にとどまり体内に吸収されないと考えられていましたが、米食品医薬品局(FDA)は、日焼け止めの紫外線防御剤が数時間で血液中に取り込まれることを発表しました。人体への悪影響はまだ不明です。日焼け止めは、これまで海水浴など休暇時の使用だったものから、毎日使用するものとなり、その影響が注目されています。酸化亜鉛と二酸化チタンは、安全性と効果が確認されています。(参考:WIRED 日焼け止めの化学物質は体内に吸収され、血液中に流れ込んでいた:米当局の臨床試験から明らかに

ノンナノを選ぶ

ノンケミカルの日焼け止めは白浮きしやすいため、ナノ化して透明感を出す場合があります。ナノ化とは、粒子を小さくしたものを言います。ナノ粒子は直径1~100ナノメートル(nm)の粒子を指します。1ナノメートル(nm)は10億分の1メートルです。しかし、ナノ化された粒子は肌に浸透しやすく、体内に吸収される可能性が指摘されています。ナノ粒子を使用しない「ノンナノ」や「ナノ粒子不使用」と記載されている製品を選ぶことで、体内への吸収を防ぎ、より安全に使用できます。

まとめ:肌にも環境にも優しい「ノンケミカル日焼け止め」で紫外線対策:日焼け止めの成分は体内に吸収される!?

ノンケミカル日焼け止めは、敏感肌の方や化学成分を避けたい方に特におすすめです。SPF30以上、PA+++以上のものを選ぶと、しっかりと紫外線を防ぐことができます。またノンケミカルの日焼け止めは、サンゴ礁や海洋生物に対してもより安全な選択肢となります。

化学系研究者

東京工業大学大学院の修士課程を卒業後、化学メーカーの研究者として従事。研究成果がメディアに取り上げられた経験有り。科学やAIを活用したお役立ち情報を書いていきます!

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