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携帯電話の買い替えをした世帯の実情をさぐる(単身世帯・二人以上世帯編)(2023年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
親子ならば携帯電話も複数所有し、買い替えの機会が増える場合も多々ある(写真:イメージマート)

多機能さから魔法のアイテムのような存在の携帯電話(スマートフォンと従来型携帯電話の双方)。世帯ベースではどれぐらいの割合で買い替えが行われているのか。内閣府の消費動向調査(※)の結果から、世帯種類別(単身世帯(世帯主のみ)と二人以上世帯(世帯が二人以上で構成))にその実情を確認する。

最初に示すのは、世帯種類別の買い替え率。

↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、世帯種類別)
↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、世帯種類別)

二人以上世帯の方が当然世帯単位の携帯電話数が多くなるので、買い替えの可能性も高くなる。結果として、買い替え世帯率も高くなるのはものの道理。二人以上世帯では2割台の割合で携帯電話の買い替えが行われている。2023年では二人以上世帯も単身世帯もともに大きく値を落としているのが分かる。

続いてこれを買い替え理由で区分したのが次のグラフ。

↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、買い替え理由別・世帯種類別)
↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、買い替え理由別・世帯種類別)

「住居変更」以外のどの属性も単身世帯より二人以上世帯の方が高い値を示している。個々の属性内全体に占める各理由別の比率は大きな違いはない。やはり二人以上世帯の方が全体の値が大きいのは、単純に買い替える可能性のある人の数が多いからなのだろう。

最後は直近年における各種属性別の動向。

↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、世帯種類別・属性別)(2023年)
↑ 携帯電話買い替え世帯率(世帯単位、世帯種類別・属性別)(2023年)

男女別では世帯種類を問わず女性の方が高い値が出る。世帯主年齢階層別では30代が高い値となり、それより年上はおおよそ値が漸減する動きを示している(単身世帯の40代が低い値となっているのはイレギュラーな動きだろう。ただし2022年でも同様の動きが生じていたので、あるいは単身世帯の40代は特異な動きを示す傾向があるのかもしれない)。

そして世帯年収別では低年収世帯で低めの値となるが、300万円以上では大きな違いは生じない。単身世帯でも年収による傾向に見えるような動きはない。強いて言えば、低年収世帯の方が値が低いかな、とかろうじて見える程度。

携帯電話は新機種の展開に伴う買い替え需要が大きいため、iPhoneの新機種発売やau、ドコモの参入といった大型のイベント発生時における買い替え状況の動向を見たいところだが、残念ながらデータは2014年分以降しか公開されていないため、今回のような形となった。今後新たな、携帯電話市場を大きく揺るがすようなイベントがあれば、それを反映した値が示されるに違いない。

また、新型コロナウイルス流行の影響で多くの携帯電話販売店では規制が取られる形となったが、少なくとも買い替えのデータに限ればその影響は生じていない。あるいは新規契約者に影響が出ているかもしれないが、今件データからはその実情は把握できない。

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※内閣府の消費動向調査

今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識や各種サービスなどへの支出予定、主要耐久消費財などの保有状況を把握することで、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的としている調査。調査世帯は、二人以上の世帯、単身世帯毎に三段抽出(市町村・調査単位区・世帯)により選ばれた8400世帯。調査時期は毎月1回で、調査時点は毎月15日。毎月10日前後に調査対象世帯に調査票が届くよう郵送し、毎月20日頃までに届いた調査票を集計する。

毎月調査を実施しているが年1回、3月分において、他の月よりは細部にわたる内容を調査している。その中の項目の一つ「主要耐久消費財の買い替え状況」を今件精査では用いている。これは「対象品目を回答年度(今回の場合は2022年4月~2023年3月)に買い替えをしていた場合、買い替え前の商品はどれだけの期間使っていたか」を尋ねた結果。つまり直近の買い替え実施者における「買い替えまでの年数」が示されることになる。新規に購入した場合や、買い替えが該当時期でなかった場合は回答に加わらない。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項のない限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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