2013関東地方の紅葉の見ごろ予想
今日から10月。日本一早い紅葉として知られる北海道の大雪山系ではふもとまで木々が色づいてきました。本州でもこのところの冷え込みで、紅葉前線がスタートしたようです。この秋の関東地方の紅葉の見ごろを予想してみました。
今年はきれいな紅葉が楽しめる
葉が色鮮やかに紅葉するためには3つの条件があります。
1.昼夜の寒暖の差が大きいこと。
2.夏から秋にかけての日照時間が多いこと。
3.台風などの強風による葉の傷みがないこと。
1.紅葉の名所が山間部に多いように、葉が色鮮やかになるためには秋になっての冷え込みが重要です。おおむね最低気温が8度を下回るようになってから2週間程度で紅葉が見ごろを迎えると言われています。
2.カエデの紅葉とイチョウの黄葉は仕組みが違います。カエデには葉の中で作られた糖分が日光によって化学反応を起こし「アントシアニン」という赤い色素ができます。このアントシアニンがたくさんできることできれいな紅に染まるのです。
一方、イチョウは「カロテノイド」という黄色の色素によって染まります。秋になって気温が下がっていると、緑色の「クロロフィル」が分解されて少なくなり、代わって、クロロフィルと一緒に含まれていた黄色の「カロテノイド」が目立つようになるのです。
夏から秋にかけて、よく晴れると、糖分やクロロフィルが葉に多く形成されるため、色づきが良くなるのです。
3.葉が強風などで擦れあったり、ちぎれてしまってもダメです。台風の影響が小さい年は葉の傷みが少なく、きれいな紅葉が楽しめます。
2013年関東地方の紅葉の見ごろ予想
気象庁の紅葉見ごろ予想式を参考に、今年の関東地方の紅葉の見ごろを予想してみましょう。この予想式では9月の平均気温が高いと紅葉の見ごろが遅く、9月の平均気温が低いと紅葉の見ごろが早くなります。今年の9月は残暑が厳しく、各地の気温は平年を上回っています。とくに、東京都心は平年より1.4度高く、観測史上5番目の高温でした。
9月の高温を反映して、各紅葉の名所では例年並みからやや遅くなりそうです。東京都心の紅葉の見ごろは昨年に続き、12月上旬の予想です。東京都心の紅葉は、9月の気温よりも、これからの冷え込みの方がより影響するのではないかと思い、相関を調べてみました。
イロハカエデの紅葉日と09月の平均気温の相関係数 0.48
イロハカエデの紅葉日と10月の平均気温の相関係数 0.10
イロハカエデの紅葉日と11月の平均気温の相関係数 0.34
イロハカエデの紅葉日と気温の相関が最も大きいのは9月、次いで11月ということがわかりました。やはり、東京都心の紅葉は9月の気温が最も影響するようです。
【参考資料】
10月1日からの通算日数 = 4.62 × 9月の平均気温 - 47.69
予想地点の平均気温は、最も近いアメダス地点の気温を標高補正し、現地の気温を推定している。