福岡の地元民が通う〈イニシエ系の昔懐かしい白濁とした豚骨ラーメンを提供する〉老舗の町中華に心惹かれる
福岡市中央区薬院伊福町。西鉄天神大牟田線「薬院駅」前の「城南線」から西へ向かう。福岡市営地下鉄七隈線「薬院大通駅」を過ぎ、さらに六本松方面に抜ける途中の「桜坂」の少し手前のあたり。そこに存在するのがこのエリアでは老舗の町中華〈中華料理 龍園〉である。
昨年の秋頃から通い始めたお店で、創業年などはわからない。だけど店内の佇まいから古くから営業されているのはわかる。お昼の隙間時間に初めての訪問。鮮やかな朱色のカウンターのみの店内は経年から古びてはいるものの、とても綺麗に保たれた清潔さ。カウンターの角辺りに座り、まずは「ラーメン」を単品で注文していただくことに。
しんと静まり返った店内は調理の音もほとんどせず、待つことしばし。配膳された胡麻と紅生姜が初めから入っている昔風のスタイルで、いわゆるイニシエ系の定義にハマる。白濁としたスープもあっさりしながらも、塩味がフワリと立ついい塩梅の優しげな味わい。やわらかめに仕上げられた麺も、スープと馴染む奥深さで、久しぶりに素敵な一杯に出会えたという実感のある日だった。
心惹かれ、時間をおかずに再訪問。前回同様、お昼やや遅めの時間帯に到着。奥に細長いL字型のカウンターの入口付近に着席。やはりいい具合に枯れた店内は綺麗に整理整頓。しんとした空気に姿勢を正しながら、注文は「ワンタン麺(※現在はメニューにも無い)」のつもりだったが『今日は切らしている』とお返事だったので「もやしラーメン」を再選択していただくことにした。
待つことしばし、配膳された「もやしラーメン」は、ほどよい量のもやしが麺を覆う一品。優しいスープと柔らかな麺は前回と同じ。そこにシャキシャキのもやしが加わり、別の食感を楽しみながら啜ると、いい感じのアクセントになり、やっぱりコチラはルーティンしたいと思えた日だった。
それから、さらに時間を置かず3回目の訪問は、ピークの状況を確認しに、お昼早めの時間に到着。短いカウンターの「一席のみ」が空いている状況から、ちょうど先客が、数名同時に食べ終えて席を立つ瞬間。空いた奥側の席へと案内された。それと同時にやはり職場がご近所の方には、かなり人気のお店のようだと実感できた。この日の注文は背後のメニュー表から、麺類の先頭にある「チャンポン」。
じっくり麺にスープを吸わせているのか、相変わらず調理の音が少なく、しんとした店内。待つことしばし、配膳された「チャンポン」は、あっさりとしながらも塩味がほどよく、野菜補給にも最適なボリューム感。あとはあまり見かけないブロッコリー入りのアクセントと、その食感。具材を掘り起しながら啜る楽しみを味わえた一品。次回は皿うどんも食べてみたいと思った日だった。
メニュー構成は麺類と一品料理が中心
町中華らしく、メニュー表の上段の端っこは「鶏のから揚」780円。右へ順に進むと「八宝菜」780円、「酢豚」780円、「肉のうま煮」780円、「肉炒め」780円、「野菜炒め」580円、「もやし炒め」530円と続き、「中華丼」700円、「中華雑炊」700円、「焼めし」580円、「玉子スープ」200円、「めし」大200円・中180円・小150円と続く。
下段の端っこは麺類の「チャンポン」650円から「皿うどん(チャンポン麺のあんかけ)」650円、「焼チャンポン(ソース焼き)」650円、「焼そば(パリパリの揚げ麺)」680円、「焼ビーフン」700円。
次にラーメン類でベーシックな「ラーメン」が530円と最安値のようだ。大盛のラーメンは「ラーメン(W)」で650円、「もやしラーメン」580円、「チャーシュー麺」650円と続き「五目麺」680円、「餃子」400円というラインナップ。飲み物は「ビール」600円、「酒」400円、「焼酎」400円と潔い。
奥に長いL字型のカウンターのみで16席ほど。お近くの方へは店頭にあるバイクで出前もされているようで、やはり昔ながらのスタイル。最寄りの駅は福岡市営地下鉄七隈線の「薬院大通駅」より歩いて5分ほど。以上、地元民のためのようなディープなスタイルのお店。入るのもちょっとドキドキワクワクする感じがして、一度体験してみるのもいいかもしれない。