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全国的に早春の長雨 原因は日本の南東海上で強まる高気圧

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
この先しばらくはくもりや雨のぐずついた天気が続く見通し、ウェザーマップ作画

 あす(19日)から23日(金・祝)にかけては全国的にくもりや雨のぐずついた天気となる見通しです。

 その原因は日本の南東海上の高気圧です。高気圧の縁に沿って、暖かく湿った空気が日本列島に流れ込むため、雨の量が多くなる可能性があります。

専門的に詳しくみると

【850hPa流線関数】5日間平均図(2/19~2/23)、ウェザーマップ作画、筆者加工
【850hPa流線関数】5日間平均図(2/19~2/23)、ウェザーマップ作画、筆者加工

 上図は850hPa流線関数と呼ばれる図です。これは上空1,500メートル付近の風の流れを予測したもので、風は等値線に沿うように流れます。そして、暖色は平年と比べて高気圧が強いことを、寒色は低気圧が強いことを示しています。

 注目したのは日本列島の南から東にかけて広がる濃い暖色です。ここには優勢な高気圧があります。高気圧は時計回りの風向きですから、日本列島には南から湿った空気が流れ込みます。そのため、くもりや雨のぐずついた天気が続く可能性があるのです。

なぜ、雨雲の動きから予想しないのか?

 今は一週間先でも、雨雲の動きがリアルにわかります。しかし、予想できるからと言って、当たるとは限らない。先になればなるほど精度はいま一つ、天気予報が日によって変わってしまうのもこのせいです。

【GSM長期】2月25日朝の雨雲予想図、ウェザーマップ作画
【GSM長期】2月25日朝の雨雲予想図、ウェザーマップ作画

 そのため、ひとつひとつの雨雲を予想するのではなくて、天気が崩れる原因=低気圧や高気圧の強まりに重きを置いたのが先ほどの予測図です。長期的にみて、精度が高いのはこちらの方法です。

一番雨が降りやすい日は?

 そうは言っても、いつ雨が降りやすいのか、それが一番知りたいことです。

 長期的な天気の傾向をつかんだら、晴れ、くもり、雨、それぞれの確率を見てみましょう。

【東京】2/18~2/25の天気を確率で示した図、ウェザーマップ作画
【東京】2/18~2/25の天気を確率で示した図、ウェザーマップ作画

 東京の場合、19日(月)以降、晴れる確率が極端に低いことがわかります。

 そして、雨が降る可能性が高いのは21日(水)、22日(木)、23日(金・祝)です。冷たい雨になっても、雪が降る可能性は低いと考えています。

【参考資料】

気象庁:1か月予報(2/17~3/16)、2024年2月15日発表

気象庁:2週間気温予報解説資料、2024年2月18日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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