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鈴木彩艶が「スーパースター」に! セリエAの新年初戦で無失点、パルマに貢献で評価上昇 #専門家のまとめ

中村大晃カルチョ・ライター
2024年12月28日、セリエA第18節モンツァ戦でのパルマGK鈴木彩艶(写真:アフロ)

セリエAで日本代表GK鈴木彩艶が成長を続けている。

1月5日のトリノ戦では相次ぐファインセーブで今季2度目のクリーンシート(無失点)を達成した。2025年初戦でパルマの勝ち点獲得に貢献したパフォーマンスに、守備の国イタリアの関係者から賛辞が寄せられている。それらの表現からは、鈴木に対する評価の高まりも感じられるだろう。

指揮官は苦境にあったチームを支えた守護神をたたえ、メディアも試合の主役と称賛。イタリア語への取り組みも感心を誘っている。ビッグクラブからの関心を伝えるはうわさも絶えない。

ココがポイント

パルマのファビオ・ペッキア監督も「我々が試合を保てたのは鈴木のおかげ」と、試合後に賞賛のコメントを送っている。
出典:フットボールチャンネル 2025/1/6(月)

「(チェ)アダムスに対しては奇跡だった。(中略)パルマが0-0の結果でトリノから帰宅できたことの功績の大部分は彼にある」
出典:DAZN News 2025/1/6(月)

イタリア人記者は「ピッチでのプレーのように、うまくこなせているね」と語学力も称えている。
出典:DAZN News 2025/1/6(月)

かつてマンチェスター・ユナイテッドも興味を寄せた22歳の逸材にバイエルンも伸びしろ十分との評価を下しているようだ。
出典:GOAL 2024/12/31(火)

エキスパートの補足・見解

高精度のキックを駆使しての攻撃参加、身体能力の高さと反応の鋭さを生かしたファインセーブは、当初から高く評価されていた。一方で、飛び出しの際のミスや判断力には厳しい声も寄せられていたが、安定感を増しつつあるのは確かだ。

『calciomercato.com』は、トリノ戦で活躍した鈴木を「スーパースター」と激賞した。もちろん、“手のひら返し”には事欠かないイタリアメディアだけに、ミスをすれば再び酷評されるだろう。ただそれは、良いときは良いと認めるという意味でもある。

上記のように語学面でも積極性を見せており、試合中にイタリア語の単語で味方に指示を出す様子もうかがえる。環境への適応ぶりも好感を持たれているのではないか。

少なくとも、鈴木は上々の出来で加入1年目の折り返し地点を迎えたと言えるだろう。あとはこのまま飛躍を続け、真の「スーパースター」となることを願うばかりだ。その先には、ワールドクラスへのステップアップが待っているかもしれない。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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