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韓国のJ-POPブームを証明!? 新しい学校のリーダーズが今月の「日本関連の最多再生回数動画」に

新しい学校のリーダーズ公式サイトより

近頃、日本の地上波などでも幾度か報じられる「韓国での日本ブーム」。居酒屋、ハイボール、音楽、日本ブランドのスニーカーなどが大人気なのだという。

韓国で空前の“日本ブーム”? 日本の好感度が過去最高に…一体、なにが?【解説】

この流れを証明するようなデータが出てきた。

韓国のビッグデータサイト「SOME TREND」では「今月、韓国で最も多く見られた日本関連YouTube動画」の検索が可能だ。「4月1日から29日まで」「日本」のキーワードで検索をかけると、動画関連で1位になったのが、日韓両国のホワイト国解除といった政治経済方面の話ではなく…

2015年から活動する女性4人のダンスヴォーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」関連のものだった。

該当画面キャプチャ
該当画面キャプチャ

「聞くと腹が立つけど、しっかり日々を過ごすなかで時々思い出すアン・ヨンミ(韓国の女性お笑い芸人)テンションの日本のアイドル」

として紹介されているのは、同グループの楽曲「オトナブルー」の動画。2020年5月1日に公開された後、その後TikTokで4億回再生の大ブームを巻き起こしていることもあり、今年4月7日に追加的に公式MVが公開された。このYouTubeショート動画についてあれこれと語るものだ。

4月18日にアップされた動画が453万ビューを記録。2位の「映画・犯罪都市3予告編が追加公開。俳優マ・ドンソクが日本の子を叱り飛ばす」(4月20日アップ)の357万ビューを大きく上回る反響だ。

韓国の評価「実力があるからこそ見ていたい」

1998年から2002年生まれのSUZUKA、MIZYU、KANON、RINの4人によって構成される新しい学校のリーダーズ。オフィシャルは「メンバーが全曲の振り付けを担当しているライブが高い評価を得ている。また、振り付け師集団としても多数のオファーを受け、活動の幅を広げている」と紹介する。

アジアのカルチャーを世界に発信するレーベル88risingよりデビューし、すでにSNS総フォロワー数は480万人以上。4月28日には「ミュージックステーション」初出演を果たした。

韓国の今回の動画では、ダンス部分よりもボーカルの実力に大きな注目が集まっているようだ。サムネイルには韓国語でこう記されている。

狂気にぐるぐる巻きにされた日本のアイドル

実力派だけが入れるという88rising所属である理由

ライブがなんでこんなに上手いんだWWW

88risingとは、アメリカを拠点とする、アジアのカルチャーシーンを世界中に発信するメディアプラットフォーム。軸となるYouTubeには600万人の登録者がいる。

新しい学校のリーダーズは韓国ではこの動画を通じ「しっかりとした歌唱力・ダンスがあるからこそ、注目に値する」と評価されている。以下、コメントの抜粋。

「B級コンテンツを味わい深くするには、実力がA級でなければならないことを明確に示すグループ」

「狂気は単に芸能界で生き残るために選んだコンセプトであり、実際には本当の実力で地位を築いたグループです」

「どうすればあんなにきらきらした目で、あんなに楽しそうに笑えるんだ...歌唱力もさることながら、その表情を見ると気分が良くなってつい見てしまう」

「目ヂカラあふれる生徒会長と、ほのかな狂気のある美しい生徒会長、可愛らしい生徒会長とのんびりした生徒会長の感じ」

「あの眼鏡をかけたメンバーの声は本当に中毒的だ。抜け出せない」

韓国のトレンドにハマる面も

この「オトナブルー」、聞くと分かる通り、どこか80年代を思わせる楽曲。これは韓国の最近のトレンドとも一致するところがある。

まず、韓国のJ-POPブームのベースにあるのは日本の「シティポップ」のブーム。1970年代に日本で登場し80年代に全盛期を迎えた。欧米の音楽の要素を採り入れながら都会的な音楽を志向したもの。インスタグラムのシティポップ(韓国語)のハッシュタグには4.8万もの投稿が集まる。筆者自身、韓国でK-POPの作曲家に幾度かインタビューしたことがあるが、元々はこの時代の日本の音楽ファンという声もよく聞く。

これが2018年頃から韓国で続くレトロブーム「ニュートロ」とも重なる。NEWとRETROの造語。韓国の20歳前後の若者たちが「自分たちの生まれる前」「インターネットで検索してもあまり情報が出てこないもの」に関心を持ち、今風に復刻させる。

この復刻の対象が「20年以上前に韓国にあった日本の風景」にも及んでいる。90年代に日本の渋谷で流行った「ギャルピース」が2022年に韓国で流行ったのもその流れだ。

日本の80年代っぽい音楽もその「復刻」の対象だ。「新鮮に感じる」韓国の若い層、また40代以上の「懐かしさを感じる層」の双方に響くところがあるのだ。ちなみにTWICEも所属するJYPエンターテインメントは2018年にずばり「日本のシティポップっぽい曲」をリリースし、1000万回以上のアクセスを記録している。

新しい学校のリーダーの「オトナブルー」、韓国のニーズにもピッタリとハマっている感がある。今後の韓国での日本ブームを牽引する存在にもなっていくだろうか。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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