【速報】スコットランド国民党、過半数獲得に手応え:独立投票へ着実に前進か
5月6日(木)、スコットランドの議会の議会選挙が行われた。
コロナ禍のために、即日開票は行わず、最終結果が出るのは8日(土)と最初から告知されていた。
7日(金)には一部の開票結果が出ている。
全129議席のうち、現在48議席が確定した。
内訳は、スコットランド国民党が39議席(+3)、自民党が4議席(変わらず)、保守党が3議席(−2)、労働党が2議席(−1)となっている(カッコ内は前回2016年選挙との比較)。
残りは81議席だ。
スコットランド国民党のスタージョン党首は、党が過半数を獲得するという希望は不可能ではないとしつつ、「常にロングショットでした(大きな賭け、勝つ見込みのない参加者、というような意味)」と控えめな発言をしている。
その一方で、同党は「選挙で4連勝し、再び政府を樹立する特権を得るためのコースを進んでいるように見える」と述べた。
「もし、これが本当に選挙の結果であるならば、私は今日、直ちに仕事に戻り、この国をコロナ禍の危機から脱出させ、コロナ禍からの回復へと導くことを誓います」
「そして、時が到来した時には、この国に、より良い未来の選択を提供します」とも語った。
「首都」の中央の議席を獲得
スコットランド国民党は、重要な3つの議席を他党から奪った。
特に重要なのは首都の選挙区の一つ、エディンバラ・セントラルである。ここは保守党が議席を持っていたのだが、同党が議席を獲得したのだ。
ここに同党はアンガス・ロバートソンという有名人をぶつけてきた。彼は、英国下院の同党代表であった。ブレグジット問題を見てきた人なら、英国下院で彼が「もしあなた方が×××するならば、スコットランド人は独立を選択する」と大声で演説してきた光景を、何度も見ていることだろう。
エジンバラというのは、スコットランドの首都のためか、独立の盛り上がりには欠ける地域である。
筆者は2014年の独立を問う住民投票でエジンバラに取材に行った。一部で独立派のデモはあったが、写真を撮るのに結構苦労した覚えがある。散発的に行われるデモを見逃すと、写真が撮れないというような状況だった。その点、独立派が強いグラスゴーは全然違った。
今まで「独立派のデモ」とメディアで流れている写真のクレジットを見ていただきたい。ほとんどがグラスゴーで撮影されたものだろう。
やはり「首都」は、経済金融の中心で、ロンドンと深く結びついているから、独立派が相対的に弱いのだ。当然のことだが、スコットランドは英国の一部であり、エジンバラは重要な「地方都市」である。
だからこそ、同党は、有名人で大物キャリアのアンガス・ロバートソンという人物をぶつけて、議席を取りに来たのだろう。彼は2017年の右派が巻き返した国政選挙の際、別の選挙区で保守党の議員に国会議員の座を奪われてしまった。今度は、首都で巻き返しをはかった。
同党が「首都」の中央を取ったというのは象徴的な出来事で、支持者たちはソーシャルメディア上で大喜びしている。
さらに同党は、イーストロジアンの議席を労働党から、エアの議席を保守党から奪った。
慎重すぎるBBCの報道
まだ最終結果は出ていないものの、スコットランド国民党が単独過半数を獲得するのは、間違いないだろう。それどころか、もしかしたら大勝利をおさめる可能性さえ全くないわけではないと感じる。
それなのに、英国公共放送BBCは、「大変控えめな」報道をしているように見える。
「スコットランド議会選挙で全体の過半数を確保するという希望は、際どいの状態のまま(on a knife edge)」と見出しをつけたり、「同党のこの優勢ぶりはかなり注目に値する。しかし、全体の過半数を獲得できるかどうかは非常に微妙な状況だ」などと報道したりである。
確かに、比例(56議席)の投票と計算結果では、保守党や労働党などの力が強い傾向はある。比例票の結果は、小選挙区の開票が結果がすべて報告されるときに、報告される。
また、専門家のコメントも同様だ。
「世論調査を担当したサー・ジョン・カーティス教授は、新議会でスコットランド国民党が過半数を獲得するあまりありそうにないが、不可能ではないと述べた」、「彼は、一部の地域では親英国派による戦術的な投票が成功していることが明らかになったと語った」と引用している。
ここには、明らかにイングランド側のバイアスがかかっているように見える。
とはいっても、彼らの態度は察するには、あまりある。同党が単独過半数を獲得したら、独立を問う住民投票を行うのは間違いなく、そうすれば本当に独立してしまう可能性がかなり高いからである。
もし同党が7割とれば圧勝で、独立投票を行ったら独立を選択する可能性は極めて高いに違いない。もし6割でも大きな勝利で、独立投票で過半数を得られるかもしれない。
英国がEU離脱を選択したとき、誰がこのような未来を想像しただろうかーーとドラマチックに書きたいところだが、実際にはこの未来を予測した人たちは存在した。イギリス市民の大半は「こんなこと、当時は夢にも思わなかった」と思うかもしれないが、ナショナリストが幅をきかせて、冷静な声が聞こえない状況だっただけだ。
土曜日の開票最終結果(日本では日曜日)が待たれるところである。