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【河内長野市】貴重な市の文化財の数々!年に一度、8月8日だけしか拝観できない岩瀬薬師寺の御開帳

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野で秘仏の御開帳と言えば、4月に行われる観心寺の如意輪観音、あるいは春秋の年に2回行われている天野山金剛寺の国宝特別公開金堂三尊を連想するかもしれません。しかし、他にも年に一度御開帳をしている場所があります。それは毎年8月8日に行われる岩瀬薬師寺の御開帳です。

岩瀬薬師寺の最寄駅は南海千早口駅です。

岩瀬薬師寺については以前調べて記事にしたことがありますのて、岩瀬薬師寺への行き方は、リンク先をご覧下さい。

坂を登り切ったところに岩瀬薬師寺があります。

河内長野市の作った岩瀬薬師寺に関する説明版があります。

普段は閉じられている本堂ですが、年に一度だけ公開しています。資料等では毎年8月8日の夕方の法要の後に開帳と記載がありますが、現在は住民の高齢化の影響で、午前中に行われているそうです。そのため、昨年お邪魔した時は、もう扉を閉めようかというタイミングでぎりぎり間に合い、ご好意で見せていただくことができました。

※追記:2024年は16時から18時までの開催になりました。河内長野市文化課からの情報です。ご注意下さい。

本堂を閉めて帰られる前に到着したので、特別に拝見できたというわけです。

こちらが岩瀬薬師寺の本堂内に安置されている仏像です。荘厳な中にも見るからに立派な仏像が並んでいます。

実は岩瀬薬師寺は平成時代に修復が行われたそうで、その時の記録を記載した資料を図書館で借りることができます。資料を基に確認していくと、次に示す5体(躯:ムクロ)の仏像が河内長野市の指定文化財です。

画像左側に見えるのが、①木造薬師如来坐像(本尊)です。左手に薬壺らしきものを持っています。河内長野市指定文化財で平安時代中期の作とのこと。像高102.0cm、光背高150.0cm、台座高50.0cmあります。

右側に見えるのが②木造毘沙門天像で、平安時代末期から鎌倉時代色の作で、こちらも河内長野市指定文化財です。像高97.0cm、光背高130.0cm、台座高45.0cmとのこと。

左側に立っている像は③木造不動明王立像です。平安時代末期から鎌倉時代初期の作品で、像高95.2cm、光背高130.0cm、台座高50.0cmあります。ちなみに②の毘沙門天像と③の不動明王像は、①の薬師如来像の左右にいる脇侍(きょうじ =本尊の両脇に安置するもの)です。

④木造大日如来坐像です。平安時代後期の作で像高91.0cm、光背高147.0cm、台座高65.7cmあります。

⑤木造釈迦如来坐像です。平安時代中期の作とのこと。像の高さは102.0cm、光背高146.0cm、台座の高さは48.0cmです。

信仰の対象でありながら、平安時代から鎌倉時代にかけて作られたことが確認されている文化財でもあり、また美術的なアート作品として見ても優美な作品と報告書にも記載されています。こんな貴重な文化財が地域住民が守る小さな寺院で保管されていること自体、とても素晴らしいですね。

仏像以外にも古い太鼓が堂内にあります。

正面の仏像が写真で紹介されています。

そして、文化財の仏像が安置している場所の手前、天井付近を注目してください。小さな像があるので見逃さないようにしましょう。

左右に並んでいる小さな仏像は十二神将像です。

十二神将とはは薬師如来の守護神であり、仏敵をおどし、人々の悪い心に対して激しく怒っている表情をしています。薬師如来の分身でもあるそうです。

ちなみに十二神像は次の名前がついていて、干支と対比しているとのこと

  1. 子・毘羯羅(びから)大将像
  2. 丑・招杜羅(しょうとら)大将像
  3. 寅・真達羅(しんだら)大将像
  4. 卯・摩虎羅(まこら)大将像
  5. 辰・波夷羅(はいら)大将像
  6. 巳・因達羅(いんだら)大将像
  7. 午・珊底羅(さんていら)大将像
  8. 未・頞儞羅(あにら)大将像
  9. 申・安底羅(あんていら)大将像
  10. 酉・迷企羅(めきら)大将像
  11. 戌・伐折羅(ばさら)大将像
  12. 亥・宮毘羅(くびら)大将像

日本遺産と文化財の指定書が飾られていました。

こちらの小さなお堂をみると、5体の像が並んでいます。

ということで年に一度だけ、秘仏を拝観できる岩瀬薬師寺を紹介しました。8月8日だけと限られていますが、貴重な文化財の数々を間近で眺めることができます。興味があってお時間が許せばぜひ参拝してみてはいかがでしょう。

医王山岩瀬薬師寺

住所:大阪府河内長野市岩瀬621

アクセス:南海千早口駅から徒歩10分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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