【河内長野市】え?そこまでメディア公開していいの!ワクワクする第6次総合計画策定、第1回審議会を取材
ご存じの通り、9月末に与党の新総裁が選出され、10月に新内閣が誕生しましたね。今でこそ総裁選挙がオープンになっていますが、昭和のころには「密室」で次の総裁が決められた時代もあり、密室政治と批判を受けるようなことがありました。
そんな密室会議ですが、例えば役所などの会議の中でも「審議会」と名の付くようなものは普通は非公開の密室で行われ、各分野の専門家が小難しい表情をして行われるイメージで一般人の目に触れることはありません。しかし、河内長野市ではその「審議会」をなんとメディアに公開!市民の目にも触れる機会を作りました。
今回、メディア公開されたのは「第6回総合計画」の審議会です。先日市民ワークショップの取材をしましたが、そのワークショップでの結果などを踏まえて来年度で終了する第5回総合計画に代わる新しい計画を策定するものです。
ちなみにメディアに公開といっても、私が市の有力者のツテを使って特別にというわけではありません。これは河内長野市の報道提供資料(外部リンク)でも正式に告知されています。とても気になったので担当者に取材を申し込み、初めて外部公開される審議会に潜入取材してみました。
始まる前の様子です。以前取材した市民ワークショップでも始まる前は緊張感に包まれていましたが、こちらは審議会です。当然と言えば当然ですね。
目に見えない糸があらゆるところに張り巡らされているのではとさえ思うほどの緊張感!レベルの違いを感じました。
冒頭は谷ノ上総合政策部理事の進行でスタートしました。
西野市長のあいさつです。市民ワークショップの時にも話されましたが、来年度策定予定の第6次総合計画は、市民が見てもすぐにわかるような、もっと簡潔なものにしたいとの思いを話されました。
そのあとは、選出された委員の紹介です。こちらは市議会議員の先生方です。
今回の委員は37名で、市民の一般公募を含め次のような内訳になっています。
- 一般公募(市民) 6名
- 各種団体選出(団体、組合、法人、企業など) 18名
- 市議会選出 6名
- 大学教授 7名
この後、審議会の会長と副会長が選出され、市長から辞令が交付されました。
市長退出後、以降は審議会の嘉名会長(右)と島田副会長(左)が進行役に代わります。
最初に総合計画の構成とイメージについての説明があります。
現状を把握し、未来(10年後)のあり方について、すべきことをどうわかりやすくシンプルにまとめるかが重要とのことです。
イメージとしていろんな自治体の事例が紹介されました。かつて市町村の各自治体は総合計画を策定する義務があったそうですが、2011(平成23)年5月に地方自治法が改正され、義務ではなくなりました。そのため以降は任意で策定しているということで、レイアウトやフォーマットが自由に設定できるようになったそうです。
この後はアンケートを実施した結果の報告です。河内長野市にさらに高めてほしい強み・魅力についてのアンケート結果によると、「安心して過ごせる」や「教育・子育ての充実」、「都心へのアクセスの良さ」が上位になっています。
今回は「ワクワクする」総合計画ということで、ワクワクする町についてのアンケートがありました。アンケートの結果を見ると「遊ぶところたくさん」や「イベントがたくさんある」、そのあとは「安心安全が得られる」「美味しいものが食べられる」が上位になっています。
この後はいよいよワークショップの結果についての報告書です。ワークショップは市民ワークショップのほか、小中学生や中堅以上の市職員などでも実施されたとのこと。
「河内長野が日本一どんな町になればよいか」という結論について、いろんな結果が報告されました。例えば「AIに負けない思考力を持っているまち」、「24時間グルメが楽しめるまち」、「マッスル(健康で元気)なまち」、「英語が喋られる子どもが多い、パートナーと仲良くなれるまち」、「子どもの夢がかなうまち」など。
そしていよいよ市民ワークショップからの報告です。
報告の内容は、私も立ち会った市民ワークショップの結論が審議会で報告されています。
例えば市民ワークショップのときに、「日本一おせっかいな人が多いまち(お困りごとを解決する)」という意見がありましたが、これも確かに審議会に報告されたことを確認しました。
ワークショップの結論報告の後は、これまでの人口に関する流れの紹介です。河内長野に多くのニュータウンができて人口が増えたものの、高齢化などで人口が減少になります。しかし、若年層に関しては人口増加の兆しがあるので、今が河内長野にとってターニングポイントであるという内容でした。
報告の後は3つの部会(第1部会:福祉・教育分野、第2部会:都市・環境・経済分野、第3部会:協働・行財政分野)に各委員の担当が割り振られ、いったん休憩になります。
休憩中にそれぞれの部会ごとが集まれるよう、テーブルの位置が変わりました。
ここからはワークショップです。市民ワークショップ同様のワークショップを行なうということで、市民ワークショップと同じ東京大学の三村教授が進行役を行ないます。
ワークショップを行う目的は自由な意見を出し合うことですが、それ以上にそれぞれの部会のメンバーが親しくなるのが目的とのこと。せっかく一般公募で選ばれた市民が、市議会議員や学識経験者の先生方相手に、自分の意見が言えないというのは意味がないので、まずは親しくなって意見が言いやすくしようということです。
テーマは河内長野のこの10年を振り返るということで、従来のワークショップ同様に付箋紙に思ったことをできるだけ多く書くという作業です。
この辺りから緊張感あふれる審議会の空気が柔らかくなってきた気がしました。
多くの意見を書いている人がいますね。どんな意見でも書くことが大事だということで、次々と意見が出ていきます。
付箋紙に描いている間、三村教授や関係者の方が各テーブルを回りながら様子を伺います。
こうして多くのキーワードを付箋紙に書くことで、意見がアウトプットしていきました。
手を挙げているのは、キーワードを付箋紙に書いた数が多い人です。10枚以上書いた人や20枚以上書いた人が手を上げます。
こちらの方が最も多くのキーワードを書いたとのこと。話を聞けば昨年河内長野に移住した方で、住んでわかった河内長野の魅力をもっと知ってほしいということを言われました。
この後は部会ごとに自己紹介をして、数多くあるキーワードの中でも特に重要と思うものを大きな紙に貼り付けます。
それぞれの立場の人が自己紹介をしながら河内長野の魅力、この10年のすばらしさを述べて貼り付けていきます。
このようにどんどん紙の上に貼り付けられていきます。
類似したキーワードを近くに貼り付けているので、カテゴリーごとに区分します。カテゴリーも部会ごとの委員同士で決めているようです。
この辺りになると各委員が和気あいあいとしています。「ワクワクしている」という言葉にぴったりですね。
後日、市の担当者から聞いた話では、過去の審議会は普通会長の話を委員が受け身になって聞くパターンが多いのですが、今回は明るい雰囲気の元、それぞれの分野で活躍している方同士が意見交換を行って活性化していたとのこと。「これは大きな第一歩になった」と喜んでいました。
そして、各部会ごとにまとめられた意見を発表していきます。
発表しているときも委員の皆さんが楽しそうで、審議会なのにまるで市民や小中学生のワークショップのようなワクワク感がありました。
「ワクワクする総合計画」をつくる審議会で、小難しい空気で議論を行っても、なかなかうまくいかないような気がしますが、初回から各委員が「ワクワク」すれば、必然と「ワクワクする結論」が出そうですね。
ということで第1回河内長野市総合計画審議会(全体会)を取材しました。これまで密室の非公開で行われていた審議会がメディアで公開されたのも驚きですが、これまでにない和気あいあいとした中で行われる明るい審議会。河内長野の明るい未来を目指すためにとても大切なことだと思いました。
河内長野市役所
住所:大阪府河内長野市原町1丁目1-1
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 河内長野市役所前バス停すぐ
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