オートバイのあれこれ『Ninjaパワーで直線をカッ飛ぶ!エリミネーター900』
全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。
今日は『Ninjaパワーで直線をカッ飛ぶ!エリミネーター900』をテーマにお話ししようと思います。
1985年(昭和60年)、ヤマハがドラッグレース車両のようなキャラクターの『VMAX』をリリースし、世間を大いに賑わせたわけですが、実はカワサキもこの年にVMAXと似たテイストのモデルを世に放っていました。
『エリミネーター900』。
今「エリミネーター」と聞くと、昨年(2023年)に新発売された400ccの『エリミネーター』を想起するかもしれませんが、これの祖先のような存在がエリミネーター900です。
そんなエリミネーター900の最大の見どころはエンジン。
なんと、「元祖ニンジャ」こと『GPz900R』の水冷4気筒エンジンが搭載されていました。
ニンジャは当時世界最速のオートバイだったわけですが、それと同じ心臓部が使われていたということです。
さらに、ただそのまま流用したのではなく、エリミネーターへ搭載するにあたってセッティングが加速重視にアレンジされていました。
この手直しによって、静止状態からの加速力はニンジャよりもエリミネーターのほうが強烈だったといわれています。
世界最速のオートバイをも、スタートダッシュで「巻いてしまう」バイクだったのですね。
エリミネーター900は走りのポテンシャルとしては並々ならぬものを持っていたといえますが、当時はやはり『Vブーストシステム』など、斬新なディテールで固められていたVMAXのほうへ注目が集まってしまい、エリミネーターは残念ながらVMAXの陰に隠れる形でマイナーな存在のまま消滅してしまったのでした。
画像引用元:川崎重工/ヤマハ発動機