Yahoo!ニュース

【河内長野市】営業部長だけではない!冬の河内長野市職員大量募集中。カムバック募集や初の公認心理師も

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

8月に新しい市長になったばかりとあって、市が新しいことに次々と挑戦されているのがわかります。例えば、大阪府職員に対して通年軽装化になったというのがニュースになりましたが、実は河内長野市でも同じ軽装勤務の通年化が取られていたのです。

12月5日付の報道資料によれば、軽装勤務の取組みを実施を伝えています。目的は次の通りです。

  • 職員のワークスタイルを変革し、動きやすく、働きやすい服装をすることにより、仕事の機動性・生産性を高める。
  • 職員の多様性を尊重し、働きやすい職場づくりを行う。
  • 関西脱炭素アクションの取り組みを推進する。

実施内容は以下の通りとのこと。

  • 年間を通じて、気候や仕事環境に応じた働きやすい服装での勤務を推進する。
  • 式典への出席時など、社会通念上必要と判断される場面においてはジャケット・ネクタイを着用するなど、フレキシブルに対応する。 ※令和6年12月市議会定例会より、会議でのネクタイの着用は任意としています。
  • 軽装勤務を推進するが、市職員として品位を損なわず、節度ある服装を心がける。

この発表は大阪府の方が先でしたが、実施開始は河内長野市の方が3日早かったです。(大阪府12月9日、河内長野市12月6日)

もうひとつ、来年から営業部を設置することになり、営業部長を実際に公募しました。そして最終的に469名の応募があったとのこと。狭き門ですが、この中からひとりの営業部長が決まるわけですね。

とはいえ、営業部長といえば管理職を管理する重要な職種なので、応募できるスキルがそれなりに無いと書類審査で落ちてしまうこともあり、特に若い人は応募を最初から諦めているのではないでしょうか?しかし、実は河内長野市ではこの年末年始にかけて、職員の大量募集をしているという情報を得ました。

そのきっかけは、報道資料の中でこちらの記事を見つけたことです。「カムバック採用を実施」とありますが、調べてみると、一度退職した社員を再雇用する制度です。かつては「出戻り」などと言われ、あまり良い印象ではありませんでしたが、最近は即戦力でかつ企業風土を知っているということで、企業では注目を集めているとのこと。河内長野市でも業務経験の浅い職員が増えているため、職員の軽減を目的として募集をするそうです。

  1. 募集期間 12月16日~1月15日
  2. 募集人数 1名程度
  3. 採用予定日 令和7年4月1日
  4. 選考等 市ホームページから申し込まれた内容を踏まえて面接を実施し、本市在籍時の人事評価等も考慮したうえで採用の可否を決定する。

そして受験資格は、「採用予定日現在で50歳以下」「正職員として勤続年数3年以上(育児休業、休職等の期間を除く)」「退職日から採用予定日まで10年を経過していない」「その他実施要項に記載の申込対象者の資格を満たすこと」です。

カムバック採用というのが気になったので人事担当の方に問い合わせたところ、カムバック以外に冬の大量募集をしているといういうことを聞きました。そこで私は人事担当の方にインタビューすることにしました。

1、公認心理師の募集について

河内長野の人事担当の方によると、カムバック採用のほかに今回の目玉として公認心理師を初めて正職員で採用するというのです。公認心理師というのを私は初めて聞いた肩書なので調べてみると、厚生労働省(外部リンク)に次のように定義してありました。

  • 心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析
  • 心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助
  • 心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
  • 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

公認心理師は、保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業などの幅広い分野で、心理的ケアを必要な人々にサポートできる能力を持っている人で、2017年に施行された国家資格です。公認心理師は誰でも受験できるものではなく、受験資格があり主に3つの取得方法があります。

  • 4年制大学で25科目履修後、大学院で10科目履修
  • 4年制大学で25科目履修後、認定施設で2年以上の実務経験
  • 国内外の大学で心理学を履修後、様々な条件を満たす

大学だけではなく大学院で履修が必要など、非常に高い知識や実務経験がなければ受験資格の取得も難しいのが公認心理師です。ではなぜこのタイミングで公認心理師を市職員として募集するのでしょうか?人事担当の方は次のように説明しています。

市では、不安を抱える妊産婦への心理的な支援(相談、産後うつへの対応など)、子育ての悩みに関する相談、乳幼児・児童の発達相談、児童虐待への対応など、こどもやその保護者に関する多くの業務を行っており、現在は、心理職の会計年度任用職員や、保健師・保育士・社福の正職員等で対応を行っています。
近年は、発達障がいの認知度が高くなっており、保護者の関心も高くなっていることから、発達相談を希望される方も増加しています。また、児童虐待防止の必要性や、だれ一人取り残さない子育て支援を推進する目的から、令和7年4月の機構改革において、児童虐待防止・母子保健や相談窓口などを一元化した部署を設置します。今回、公認心理師の正職員を初めて採用し、これらの取り組みをさらに推進します。

つまり心理的なサポートは現在心理職の会計年度任用職員(民間企業の契約社員)や、保健師・保育士・社福(社会福祉法人)の正職員で行っていたそうですが、最近は発達障がい児の相談など新たな相談が増え、児童虐待防止や子育て支援を推進することを目的として公認心理師の正職員の採用に至ったそうです。

2、カムバック採用について

せっかくなのでカムバック募集について、なぜこのタイミングで行なうのかについて聞いてみると、市の担当の方は次のように説明しました。

近年は、若手・中堅職員の退職が続いています。その中には、育児など家庭の状況により退職せざるを得なかった方や、地域手当が高い他団体へ転職した方など、本市にマイナスの感情があり退職した訳ではない方もいます。そのため、状況が変われば(地域手当は一部の団体を除き、大阪府内で一律となります。)、再び本市で働くことに前向きな方がいる可能性があると考えました。本市では、採用試験を毎年複数回実施していますが、募集人数分を採用できないことも多く、即戦力して本市職員を採用することを目指しました。

つまり、必ずしも河内長野市の職員として働くのが嫌で辞めたとは限らないことと、最近はなかなか希望しているような職員が集まらなくなっていることも、今回のカムバック採用につながったということです。

河内長野市役所の8階にある大会議室からは、屏風のように金剛山地や和泉山脈が見渡せます。自然と歴史にあふれた河内長野市は住むだけでなく働く先としての魅力もあるような気がします。例えば私が知っている職員さんの中には大阪市内からわざわざ通っている人もおられます。条件が整えばまた働きたいという人がいても不思議ではありません。そういう方のためにチャンスを与えることはとても素晴らしいのではないでしょうか?

3、その他の募集と大量募集に至った経緯

公認心理師やカムバック採用の他にもこの冬では大量に職員募集を行うそうです。合計で14名という大人数を募集する経緯についてもお話を伺いました。

毎年採用試験を実施していますが、応募者数が減少していることなどもあり、希望する人数を採用できない状況がこの数年間は続いています。現在も欠員が多数発生していることに加えて、今年度末までに退職を予定している者もおります。来年度に市の職員体制を整え、市民サービスを低下させないためには、多くの採用が必要であると考え、今回の大量募集に至りました。

公務員と言えば、安定した職業という印象があるので希望者が多い気がするのですが、意外にも応募者数が減少しており、希望人数に至っていないとのこと。少子高齢化の影響もあるのかもしれません。このような現状で市の職員体制を整えて市民サービスの低下を阻止するために思い切ったことする必要があると判断したことで、今回の大量募集に踏み切ったとのこと。

さて、ここで少し意地悪な質問をしました。この大量募集の発案者は西野市長ではないかと思ったのです。営業部長に続いて職員を新しく入れようという市長の意向がないかあえて質問してみると、担当者は意外なこと言いました。

直接的に西野市長から大量募集の指示があったわけではありませんが、来年度は機構改革があり、市として大きな変革の時期を迎えます。その事業を円滑に進め、市民サービスの向上に繋げていくために必要な人数を今回募集するものです。

これを聞いた時、私はあることを思い出しました。それは西野市長の就任のあいさつで、次のように述べたことです。

職員には、これまでの前例や慣例にとらわれず、「当たり前のことを疑う」ことを意識してもらい、常にチャレンジする組織に変えます。

今回の人事担当の方は市長からの指示とは無関係に、チャレンジ精神で職員の大量募集に踏み切ったのではと思ったのです。市民サービス向上のためにあえて行う、職員が自主的に動いたということであれば、早くも市長が望む職員に人事担当の方がなっていることになります。そんな意識の高い職員がいる市に住んでいることを考えると、それだけで安心感がありますね。

4、先輩からのメッセージ

後日、担当の方にあることをお願いしました。募集を検討している方にとってどんな職場なのか、ブラックはないにしても不安を除くためには、直近に職員になった先輩にあたる人のメッセージを聞いておこうと思ったのです。そして、以下のような先輩職員からのメッセージを頂きました。

Aさん
私は子育て支援に関する業務を行っています。最近は、国が子育て支援に力を入れており、本市も多くの施策を実施しているため仕事はとても忙しいのですが、こどもたちの元気な姿を見ると、こどもの将来に関わる仕事ができていることに充実感があります。

Bさん
私は、もともと民間企業で働いていましたが、地域や市民に密着した仕事をしたいと思い、河内長野市役所に転職しました。民間企業とは違い、市役所は、1人の人(市民)に長年ずっと関わることができます。今は、こどもの成長を見届けることができる仕事にとてもやりがいを感じており、河内長野市に愛着を感じています。

Cさん
河内長野市役所は、新卒や民間企業の出身者、就職氷河期世代の人など、色々な経験を持つ人が集まっており、皆で協力しながら仕事を行っています。ぜひ、みなさまと一緒に新しいことにチャレンジしていきたいと思っていますので、ご応募をお待ちしています。

最後に人事担当の方から求めている人材についてお伺いしました。

何事にも前向きに挑戦できる人、また、河内長野市が好きだという人を求めています。今後、デジタル化や業務委託が進むと、定型的な業務は正職員が行う必要がなくなり、考える仕事や、新しく生み出す仕事が多くなると思います。そのため、市役所は今後、積極的にチャレンジできる人が活躍できる場所に変わっていくと思います。また、市役所の仕事を続けるにあたり、河内長野市が好きだという気持ちは、大きなエネルギーになり、その人を動かし、他の職員を動かし、市を動かします。そのため、河内長野市に対する熱い気持ちをもち、果敢に挑戦できる人に是非受験をしていただきたいと思います。

河内長野から1時間以内で行ける大阪ミナミの繁華街
河内長野から1時間以内で行ける大阪ミナミの繁華街

自然と歴史が豊富で、大阪市内まで乗り換えなしで30分かからずに行ける河内長野。そんな河内長野が好きで前向きなチャレンジ精神がある人を求めています。営業部長のようなスキルはなくても、河内長野が好きという気持ちは大きなエネルギーになり、職員や市を動かせるとの思いから、そんな情熱と挑戦したい人に応募して欲しいとのことです。市役所職員が挑戦して良い方向になれば、市民にとってもとてもありがたいことですね。

画像提供:河内長野市
画像提供:河内長野市

なお、冬に実施される市職員採用についての概要や募集職種、募集人数、申し込み方法などについては公式ページ(外部リンク)を参考にしてください。

また、昨日手元に届いた広報かわちながの1月号23ページに市職員募集の詳細が記載されています。

その他にも河内長野市では育休代替一般任期付職員:市民窓口課(外部リンク)一般任期付職員:映像クリエイター(外部リンク)の募集も行うそうなので、興味のある方はこの年末年始に検討してみてはいかがでしょう。ただし、カムバック採用以外は締切日が1月6日と早いので注意してください。

河内長野市役所

住所:大阪府河内長野市原町1丁目1-1
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 河内長野市役所前バス停下車すぐ

---------------------------------

奥河内から情報発信のおすすめ記事がLINEに届きます!

奥河内地域に住んでいる人たちに役立つ情報を毎週水曜日の10:00にお届けします。

ぜひご登録ください!

<友だち追加の方法>

■下記URLをクリックして友だち登録してください

LINEアカウントメディア(外部リンク)

※本リンクはYahoo!ニュース エキスパートとの取り組みで特別に設置しています

---------------------------------

※記事へのご感想等ございましたら、プロフィール欄にSNSへのリンクがありますのでそちらからお願いします。

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

奥河内から情報発信の最近の記事