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ビジネスの世界で、いいかげん絶滅してほしい「四文字熟語リーダー」の特徴

横山信弘経営コラムニスト
「意識改革」「部下育成」「情報共有」……を連呼する上司たち(写真:アフロ)

私は現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。現場に入るわけですから、組織のリーダーが普段から使っている言葉によく接することがあります。私がとにかく気になっているのが「四文字熟語」だけ部下に言い聞かせる上司です。

何らかの目標を達成するためにはアクションプランが必要です。しかし、そのプランを示すにあたって「四文字熟語」をこよなく愛用する上司がたくさんいます。「意識改革」「情報共有」「部下育成」といった四文字熟語。もちろん、このような言葉を使うことに問題はありませんが、この言葉だけでは正しくマネジメントサイクルをまわすことができません。しかし熟語を愛しすぎているせいなのか、この言葉だけで物事が動き出すと信じている上司やリーダーがいるのです。これら熟語はアクションプランではなく、実態のない、単なるテーマ、スローガンのようなものだと認識しましょう。

「四文字熟語」を愛用するリーダーは、この熟語の後に動詞が付加して話を締めくくります。

「部下育成に注力します」

「顧客満足に重点を置きます」

「情報共有を徹底します」

「意識改革をやっていきます」

「経費削減に努めます」

締めくくってはいけないのに、ここで締めくくるわけです。アクションプランというのは、個々のスケジュール帳に記すことができるぐらいに分解されていなければなりません。ですから、「部下育成と言っても、何をどうするんだ?」「意識改革とは言うけれど、具体的にはどのようにしようと考えているんだ?」と聞きたくなります。しかし「四文字熟語リーダー」たちは、さらに熟語のオンパレードで答えようとするのです。

「まずは意識改革からやっていきます。誠心誠意、顧客満足を意識できるよう組織で情報共有し、部下個人個人の能力開発ができるよう凡事徹底します」

熟語を分解しろと言っても、また熟語で答える癖がある人は、堂々巡りを繰り返しています。四文字でなく三文字でも二文字でもよくありません。「効率化する」「最適化する」「集客する」「管理する」「徹底する」。きりがありませんが、こうした熟語ばかり連呼していても埒があきません。こういった抽象表現を使っていいのは、経営陣だけです。現場のリーダー、中間管理職まで抽象的な表現に終始しているのであれば、改善が必要です。

正直なところ、私自身も「四文字熟語」は好きです。「絶対達成」という言葉をずっと使っており、書籍のおかげもあり、今では私のブランドのようになっています。絶対達成を実現するための営業マネジメント手法「予材管理」も多くの企業に普及しはじめています。ついでに言うと、私が出し続けているメールマガジンの題名は「草創花伝」です。

というわけで「四文字熟語」そのものを否定しているわけではありません。ただし「熟語」を多用しすぎたり、「する」を付けて動詞のように使ったりすると、使用する側はそれだけで安心してしまい、物事が前に進まなくなるので気を付けていただきたいですね。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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