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A級復帰を目指す羽生善治九段(51)今期B級1組順位戦で2敗目 三浦弘行九段(48)に敗れる

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月6日。第81期順位戦B級1組5回戦がおこなわれました。結果は以下の通りです。

【東京・将棋会館】

三浦 弘行九段(4勝1敗)○-●羽生 善治九段(2勝2敗)

千田 翔太七段(3勝2敗)○-●丸山 忠久九段(3勝2敗)

佐々木勇気七段(3勝2敗)○-●横山 泰明七段(1勝4敗)

【大阪・関西将棋会館】

中村 太地七段(4勝0敗)○-●久保 利明九段(2勝2敗)

山崎 隆之八段(3勝2敗)○-●屋敷 伸之九段(1勝4敗)

【愛知・名古屋将棋対局場】※千日手指し直し

澤田 真吾七段(2勝2敗)●-○近藤 誠也七段(1勝4敗)

【空き番】

郷田 真隆九段(2勝2敗)

 ▲三浦-△羽生戦は後手の羽生九段が誘導して三浦九段の横歩取りに。三浦九段は「青野流」と呼ばれる作戦で、両者ともに妥協することなく激しい変化に飛び込みます。

 羽生九段は三浦陣に歩を成って、と金を作ります。進んで三浦九段がそのと金を取り払う展開となり、以後は少しずつリードを広げていきました。

 終盤、三浦九段はゆるみなく攻め切って、羽生玉は受けなしに。対して三浦玉は詰まない形。21時34分、77手で三浦九段の勝ちとなりました。

 三浦九段はこれで4勝1敗。次節で4戦全勝の中村太地七段と対戦します。

 羽生九段は2連勝からの2連敗。昇級争いからは一歩後退となりました。しかしB級1組は全12回戦の長丁場。1期でのA級復帰の可能性も十分に残されています。羽生九段は次節、同じく2勝2敗の澤田真吾七段と対戦します。

 A級通算在籍数は羽生29期、三浦19期。長きにわたって戦い続けてきた両者の通算対戦成績はこれで羽生36勝(不戦1勝をのぞく)、三浦11勝となりました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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