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衣替え前に忘れずにやってほしい「しまい洗い」と「服の断捨離」

平島利恵洗濯研究家

洗濯研究家の平島 利恵です。
暖かくなり、冬物のダウンや厚手のニットをしまう前に、絶対忘れずに行なっていただきたいのが、「しまい洗い」です。
次のシーズンまで綺麗な状態で保管するため、汚れを落としてから長期保管しましょう。

気づかなかった黄ばみ・シミが浮き出てくる理由

衣替えで服を出すと、なぜか黄ばんでいたり、シミが浮き出ていたことはありませんか?
これは、保管する前に落とし切れなかった汚れが、時間の経過とともに酸化し、目に見える「シミ」として浮き出てきたものです。
このようなシミが出てしまうと、一軍から普段着へ、普段着から処分へ‥と洋服の寿命が短くなってしまいます。

皮脂や汗などの汚れは、ついた時点では目に見えません。
このような目に見えない汚れまでしっかり落とすのが「しまい洗い」です。

この冬袖を通した服は必ずしまい洗いをしてから保管しましょう。

【ステップ1】洗濯表示をチェック

まずは、ご自宅で洗えるか、クリーニングに出すか、洗濯表示で確認しましょう。
洗濯できないと思われがちな、ダウン・コートなども、最近は自宅で洗えるものが増えています。

■実はご自宅で洗える衣類(※洗えない場合もあります)

  • ダウンジャケット・コート
  • ストール
  • マフラー
  • 制服
  • ニット
  • ジャケット

洗濯表示を確認し、「桶に×があるもの」は、家庭洗濯ができないため、クリーニング店で相談しましょう。

「手洗いマーク」は、洗濯機の『おしゃれ着コース』などで洗濯機洗いできる場合もあるので、分からない場合は取扱説明書で確認しましょう。

【ステップ2】シミが出やすい場所に洗剤を塗布

肌が擦れやすい首元袖口、汗をかきやすい脇の下などは、目に見えない皮脂汚れが付着している可能性が高い場所です。
洗濯前に、これらの場所に中性洗剤を塗布してから洗濯機にかけましょう!
普段から日焼け止めを塗っている方も要注意です。

すでに目に見えるシミがある場合は、洗剤を塗布し、洗剤をやさしくたたき込みましょう。(こすったり揉んだりすると、繊維を傷めてしまいます)

【ステップ3】衣類に合わせて洗濯

衣類の素材に合わせ、洗濯をします。

ニット・ダウンなどはおしゃれ着洗剤(中性洗剤)を使い、デリケートコースで洗濯します。衣類の詰め込みすぎには注意しましょう。

縦型の場合は洗濯槽の8割まで、ドラム式の場合は5~7割までが目安です。

型崩れが心配なものや、繊細な縫い目のニットなどは洗濯ネットに入れる方が安心です。

型崩れ予防のため、洗濯後はすぐに形を整え、干すようにしましょう。

ここで差が出る!洗濯ネットの正しい使い方

洗濯ネットに入れる際は、次の3つに注意しましょう。

1. 1枚のネットに衣類も1枚だけ入れる

大き目のネットに複数の衣類を入れていたりしませんか?これはNGです。1枚のネットに入れていいのは1枚の衣類だけです。

このとき衣類とピッタリ同じ大きさのネットに、畳んで入れます。

2. 汚れが気になる部分が表面に来るように畳む

洗濯ネットの内側部分は、水流の力が働かず、汚れ落ちが悪くなります。
目に見える汚れがある場合は、汚れが表面に来るように畳みましょう。

汗のニオイ黄ばみ黒ずみなどの汚れが気になるときは、裏返してから洗濯ネットに入れます。

3.ファスナーの持ち手はゴムに入れる

洗濯ネットの端には、ファスナーの持ち手をしまうゴムがあります。
ここに持ち手を入れずに洗濯すると、衣類に絡まって繊維を傷めてしまうことがあります。必ず忘れずに入れてから洗濯しましょう。

今シーズン着なかった服のしまい洗いは?

今シーズン一度も袖を通さなかった服も、ホコリなどが蓄積しているため、しまい洗いをしてから保管します。
ですが…その服を来年は着るのか?と検討するのもおすすめです。

着なかった理由によっては、この先も着ない服かもしれません。
着ない服を持っていると、保管場所も衣替えの手間も無駄に増えることになります。

服は時間の経過とともに劣化してしまうものなので、衣替えのタイミングで洋服の断捨離を行ってみるのもおすすめです。

洗濯研究家

2004年武庫川女子大学を卒業。株式会社リクルートに入社し、株式会社マクロミルへ転職。東日本大震災をきっかけに布おむつ専門店を立ち上げ、EC事業を展開。2013~2015年NY在住中に揉み洗い不要のつけ置き洗剤の着想を得て帰国し、洗濯洗剤と布ナプキンプランド"Rinenna"を展開。現在、洗濯研究家として「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。TV、雑誌等のメディアへの出演多数。四児の母。クリーニング師。

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