冷蔵庫を使わないでアイスクリームを作ることができる?子どもの夏休みの自由研究にぴったり、しかも省エネ
明治時代初期に開業した日本初のアイスクリーム屋さんの製造器は、二重構造になった金属製の筒状で、外側に塩と氷、内側にアイスクリームの材料を入れ、手動で撹拌するものだったという(書籍『環境問題を考える自由研究ガイド』エコ実験研究会編、東京書籍)。
この本には、「冷蔵庫を使わないで作るアイスクリーム」の方法が載っている。明治時代初期のアイスクリームの作り方を元にしたものだ。
市販の食品を買ってくるのもいいが、時間のある夏休みに、時間をかけて作ってみると、食べ物の有り難みや、成り立ちがわかり、食べ物へ意識がのぼり、食品ロスを減らすことにも繋がると思う。そこで、この本を見ながら、冷蔵庫を使わないでアイスクリームを作ってみることにした。
準備するもの
空き缶、生クリーム75ml、牛乳150ml、卵1個、砂糖45g(大さじ4杯)、バニラエッセンス数滴、氷800g〜1kg、塩(氷の3分の1量)、ビニール袋(大きいのと小さいの)、バスタオル、輪ゴム数本、ラップ、割りばし、ガムテープ、計量カップ・スプーン。
1、空き缶に卵を入れて、割りばしでほぐす
まず、空き缶と卵1個を準備する。空き缶がなかったので、果物の缶詰を買って来て、食べ終わった後の空き缶を使った。空き缶は、よく洗う。
卵を入れたら、割りばしを使って、溶きほぐす。
2、生クリーム、牛乳、砂糖、バニラエッセンスを加える
次に、生クリーム75mlを準備する。
溶きほぐした卵の中にそそぐ。
さらに、牛乳150mlをそそぐ。
砂糖45g(グラム)(もしくは大さじ4杯)を入れる。
バニラエッセンスを数滴加える。
3、ラップをかぶせ、缶のふたをしてガムテープで閉じる
割りばしで混ぜて、ラップをかぶせる。
缶のふたをする。
上からガムテープでしっかりと閉じる。
4、ビニール袋に缶を入れ、そこに氷と、氷の3分の1量の塩を入れる
ビニール袋に缶を入れ、そこに氷を800gから1kgくらい入れる。
さらに氷の分量の3分の1程度の塩を上からそそぐ。
5、ビニールの口をしばり、バスタオルとビニール袋でくるんで20分間シェイクする
ビニール袋の口をしっかりとしばる。
バスタオルでくるみ、ゴムでしばる。
さらに大きなビニール袋に入れて、口をしっかりしばる。
そして、20分間、よくシェイクする(振る)。
6、缶を振ってみて音がしなければ完成
20分間シェイクした後、缶を取り出してみて、液体の音がしなければ、出来上がり。
缶の外側には塩がついているので、さっと洗って、拭いてから開ける。缶の内側の、側面に沿って、アイスクリームが出来ている。
缶のフチで手を怪我しないように気をつけて、アイスクリームを取り出す。
器に盛り付けて、出来上がり。
作ってみての感想
氷に塩をかけると温度が下がる。冷蔵庫や冷凍庫を使わなくても、氷と塩で、アイスクリームを作ることができた。
工程の中では、おそらく、20分間シェイクし続けるところが一番大変。子ども一人でやるのは難しいかもしれないので、何人かで力を合わせてやってみるとよい。
出来上がって、缶から取り出すとき、缶のフチなどで怪我をしないよう、十分、気をつけたい。
出来上がったアイスは、良い原材料を使っているので、味わい深い、深みのある味だった。
お勧めしたいこと
この本には、元の温度よりも低温になる「寒剤」について、凝固点降下の仕組みについて、など、詳しく書いてある。この本を読みながら作ると、理解が深まると思う。
手作りのアイスクリームを作ってみて、市販のアイスクリームと、味を比べてみて欲しい。市販のアイスクリームの原材料欄を見て、何が違うか、賞味期限は表示されているか、など、比べてみよう。
自分で作ってみることで、食べ物への愛着がわく。
一生懸命作った食べ物は、捨てるどころか、きれいに食べきりたい、と思う。
電力を使って冷蔵庫や冷凍庫で冷やし続けなくても、氷と塩があれば作れる。ということは、エネルギーの省力化にも繋がる。環境への負荷を減らすことにもなる。
夏休みに、ぜひ、チャレンジしてみて欲しい。
参考書籍:『環境問題を考える 自由研究ガイド』エコ実験研究会編、東京書籍