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メルカリの救世主となるのか?個人アクティビストからの提言 メルカリリブートドットコム

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:メルカリリブート.com

KNNポール神田です。

個人アクティビストとしての田端信太郎氏が、フリマアプリの『メルカリ』の創業者でもある山田進太郎氏に『アメリカ事業の撤退』を提言している。

■個人アクティビストからの提言『米国事業から撤退せよ!』

メルカリの山田進太郎氏のキャリアを、羨ましく見ていたという山田進太郎氏よりも年上の田端信太郎氏。

サラリーマンの営業として頭を下げている間に、同年代の山田氏は連続起業家として輝かしい活躍をしている…という。しかも名前も同じ『しんたろう』だ。

…とはいえ、田端信太郎氏のキャリアもNTTデータ>リクルート>オンザエッヂ(ライブドア)>コンデナスト(ヴォーグ)>スタートトゥデイ(ZOZO)>フリーランス>株式会社田端大学校 と輝かしいスーパーサラリーマンであり、サラリーマンから程遠い筆者からすると、とても輝かしいキャリアである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/田端信太郎

田端信太郎がすごいのが、サラリーマン時代からやりたい放題やり通してきていることだ。中でも、リクルート時代の『R25』の立ち上げには、筆者もフリーペーパー事業の出身なので、とても関心が高かった。まだ20代なのにしっかりとしたロジックでフリーペーパー事業の本質を語る姿に感動したほどだ。都内のいたるところで手にできる『R25』というメディアにメディア野郎の一人として、とても眩しかった。


それから一方的に彼をウォッチしてきているが、ライブドア事件に揺れた頃には、韓国の『オーマイニュース』を模した『ライブドアPJニュース』などに筆者も参加し、田端信太郎氏のリポートライン下での仕事だったと思う。それでも、自分が発掘した記事が書けるという意味あいでは、このYahooニュースエキスパートと同様のしくみであった。
ZOZOの執行役員として田端氏は参画するが、その頃の前澤氏の代表者の持つ『担保株式借り入れ』の件でヒヤヒヤしていた経験から、今回、山田進太郎氏の『野村信託銀行』らからの『担保株660億円』について、詳しく追及している。

出典:メルカリリブート.com
出典:メルカリリブート.com


株式を担保に銀行から借り入れをすると、メルカリの株単価が下がると担保の価値も下がってしまうからだ。すると山田進太郎氏の内情も厳しいと推測している。


■メルカリ株3万株を所有する田端氏の提案『メルカリリブート.com』5,190万円の出資?


田端氏が個人アクティビストとして、活動の決意を物語るのが、ドメインまで取得して公開しているブログによる提案書だ。

https://mercari-reboot.com/

いかに肝いりなのかは、このサイトをみるだけでよくわかる。
それだけではない、本人が3万株所有の株主とすると、4月19日の株価1,730円で購入したとすると、現金だと5,190万円分の資金が必要である。

そして、メルカリの株主総会9月への議決権がないとすると、2024年4月以降の取得が考えられる。

出典:メルカリリブート.com
出典:メルカリリブート.com


一方、今回の提案で、メルカリの株価が上がれば、田端氏の保有株式には上昇分の3万倍のリターンを生むこととなる。


■アメリカ事業からの撤退を提案

出典:メルカリリブート.com
出典:メルカリリブート.com


メルカリにとって、いや、山田進太郎氏にとってもアメリカ市場での成功は悲願でもあり、そのためにメルカリを創業したといっても過言ではないだろう。元GREEでのUS責任者であった青柳直樹氏(ライドシェアnewmo)をメルカリに招聘したり、元Googleのジョン・ラーゲリンをメルカリUSのCEOへ置いた。

田端氏はメリカリUSのジョン・ラーゲリン氏の解雇も提案としていれており、メルカリの国内の新サービス『メルカリハロ』への経営資源集中を訴える。
国内でのスポットワークではスタートアップの『タイミー』が最大で700万人登録であり、逆転できるタイミングがあるとすれば今だという考えだ。


そして、株主への配当や株主総会のハイブリッド化を提案している。個人アクティビストとしての提案に対して、メルカリはどう対応するのだろうか?


現在のメルカリの株価はこちらだ。2024年5月8日
1782円
時価総額 2,906億円


https://finance.yahoo.co.jp/quote/4385.T

メルカリ決算資料
https://about.mercari.com/ir/library/results/


ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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