Yahoo!ニュース

2026年、Appleはどんな『フォルダブル』のスマートフォンを創るべきなのか?

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:The Information.com

KNNポール神田です。

ロイターが2024年7月23日、Appleが、折りたたみ式(フォルダブル)iPhoneを早ければ2026年に発売すると伝えた。

□米アップルは、 早ければ2026年に折りたたみ式iPhoneを発売する公算が大きい。ハイテク系ニュースサイトのザ・インフォメーションが(2024年7月)23日、関係筋2人の情報として報じた。
□報道によると、折りたたみ式iPhoneは構想段階を終了して進展しており、アップルは部品の製造に向け、アジアのサプライヤーと連絡を取っている。
□社内では「V68」というコード名で呼ばれ、iPhoneとしては最大のハードウェア刷新となる見通し。
https://jp.reuters.com/markets/global-markets/NF6QCVPVPROTHOURYCMIO2M2TA-2024-07-23/


近年のロイターやブルームバーグのAppleの記事は、ほとんど、Appleの広報発表かと思えるようなハズレのない情報が提供されているようだ。当然、リークされる情報においても『NDA(秘密保持契約)』でApple側でコントロールされているはずなので、よほどのことがない限り外れは少なくなった。

筆者は、Appleと『NDA』を締結していないので、Appleの製品について公開されている情報をもとに自由に類推することができる。

今回のこの『フォルダブル』に関しては、ロイターが『ザ・インフォメーション』の記事を引用したものなので、真偽のほどはあきらかではない。

当然、Appleは、世界最大のサプライヤーでもあるので、2年前には設計も終わり、量産部品の調達も値段交渉も進むので、単一製品への億単位の受注の多さからクライアントが『Apple』だろうという推測も成立する。

少なくとも、この記事からは、2026年の9月までは、iPhoneの『フォルダブル』は発売されないと読み変えることもできる。しかも『早ければ2026年』の注釈つきであることだ。2026年以降になる可能性も高い

『AppleCar』の『Titan』プロジェクトなども解散までの内部情報が長年にわたりリークされてきたので、本格的に生産にはいるまではプロジェクトが頓挫することは多々ある。
しかも、iPhoneでエッジ側でAIに対応の『apple-intelligence』を宣言しているからこそ、単なる『画面サイズ』獲得だけでの『フォルダブル』の話でもなくなってきているはずだ。


■先行する『フォルダブル』に『水平思考』が搭載される?

サムスンGoogleからも多数の『フォルダブル』が発売されてきている。価格も軽く20万円超えの高価格帯だ。
Appleも作ろうと思えばいつでも作れたはずだ。しかし、あえて、『フォルダブル』を作らなかったのは、Appleのポリシーとして、『既存のフォルダブル』と同等のものは絶対に作りたくなかったのだろう。
Appleはデータやトレンド調査結果などから分析した『垂直思考』ではない『水平思考』を大切にする会社だ。

今までの音楽プレーヤー乱立時代の、『iPod』
キーボード付き携帯電話乱立時代の『iPhone』
スマートウォッチ乱立時代の『AppleWATCH』
VRデバイス乱立時代の『Vision Pro』

『垂直思考』で『乱立時代』に参入するのが得意で『十八番(おはこ)』とも言える。

ある意味、市場が成熟する直前に、画期的な使いやすさの機能提供と、Apple製品郡とのネットワークシナジーで参入する。そして、全世界を対象に大量に受注して、ほぼ直販でダイレクトに届ける。このビジネスモデルを踏襲してきている。

毎年、スマートフォンをカメラ性能だけで売っているように見えるが、PCやスマートフォン、クラウドなどとの連携機能、セキュリティをふくめて『使い心地』という、スペックや仕様だけでは、読み取れない部分に心血を注いでいる。

Appleが『フォルダブル』の販売に舵切りをしたというには、それなりの『Appleらしいフォルダブルの仕様』が見つかったからだろう。最新のチップセットで『AI』対応であれば、2年後であれば日本語でもまったく問題なく会話できるようになっているだろう。
いや、逆に2年後のAIの進化を予測することのほうがむずかしい。毎年、新型スマートフォンを投入するAppleにとっては、カメラの進化よりも好都合だ。

iPad miniが折りたたみになってスマートフォンになるというような『水平思考』があってもよいだろう。
いずれにしても、Appleが販売する『フォルダブル』が2年の時間をかけて世にでてくるというのは、また楽しみな日々がすごせそうだ。


ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

神田敏晶の最近の記事