さよなら電話番号案内『104』終焉へ!135年の歴史に終止符
■そもそも電話番号案内サービス『104』って何?
電話番号案内サービスの『104』が終了と聞いても、『104』を知らない世代も多くなった…。
電話の普及期の頃(1890年/明治23年)から、日本全国から局番なしの『104』をかけると対人の有償サービス(1990年より)として『名前』や『住所』を伝えると、NTTの対応オペレーターが、『ハローページ』や『タウンページ』などのいわゆる『電話帳』と呼ばれる印刷媒体に掲載されたデータベースをもとに、電話番号を口頭で有人で教えてくれるサービスである。
ネットで検索すればいいのに…と思うが、インターネットが登場(1995年)する前からのサービスだから仕方がない。
1989年(平成元年)には13億回利用されており、NTTの民営化(1985年/昭和60年)以降も赤字が継続しており、翌年1990年から有償化となった。それまでは無償のサービスだったのだ。
1990年からは、月に1回の利用で60円、2回の利用で90円、公衆電話からの利用で100円という価格設定であった。
■ピーク時の電話番号案内市場は最大1,170億円市場
これにより1回90円で13億回とすると年間1,170億円の赤字が改善することとなった。前年度1989年のままの利用回数だと最大年間1,170億円の市場ということだ。
そしてその無償化廃止と引き換えにして利用度は減少する。2003年度は約5億3000万件、2008年度は2億6000万件と5年間で半減している。
そして、現在、2024年/令和6年度の利用料金は、1回440円(2023年5月1日〜)と高額となり、2022年/令和4年度の275円から160%も値上げをしている。
https://www.docomo.ne.jp/info/notice/page/230331_01_m.html
電話番号を音声で有人で1回、聞くだけで『440円』かかるのであれば、利用度は当然、遠のくだろう。
『2,000万回(2022年)』の利用度で1回あたり275円(2022年)とだと、55億円
『2,000万回(2022年)』の利用度で1回あたり440円(2023年)とだと、88億円となる。今から35年前の1989年の1回90円で13億回の年間1,170億円と比較すると、電話番号案内市場は7.5%にシュリンクしていることとなる。
■高価格化する『有人サービス』
金額ベースで7.5%のシュリンクした市場、直近の利用はピーク時の60分の1以下となりながらも、『有人サービス』である以上、ある程度の経験を積んだオペレータが必要だ。そして、年間88億円で2,000万回、1日あたり5.4万件を24時間対応するサービスが2025年に終了することとなった。
明治、大正、昭和、平成、令和とまたいだ135年のサービスが終了する。
何年かぶりに、『104』を使ってみたけど、対応オペーレーターが迅速に出てくれる。これには少し感動を覚える。
最近の電話サポート、何度もまたされたり、ダイヤルボタンを何度も押させられる。
1回440円かかっても良いので、電話サポートが迅速に有人ででてきてほしいものだ。