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【京都/左京区】絶品パエリアに塩で食べるチーズケーキ!話題の隠れ家的スペイン料理店

旅人間はらぺこライター

はらぺこライターの旅人間です。今回は京都市左京区に新しくオープンしたスペイン料理の店を紹介しましょう。最初に結論から言うと「パエリアの美味しさは別格で…」と断言したくなる店だ。

今までスペイン料理をあまり食べた事ないって方は、ぜひ挑戦して欲しい。価値観が少し変わるかもしれない。

スペイン食堂 ラ・ファローラ

平安遷都1100年を記念して創建された平安神宮から歩いて8分ほど、丸太町通沿いにある「スペイン食堂 ラ・ファローラ」は隠れ家のようなお店。

営業は夜のみで17時から。だから昼間はひっそりとしている。夕暮れ時になると通り沿いの赤い壁に灯がつき営業が始まる。

店名の「ファローラ」とはスペイン語で街灯を意味する。暗がりにそっと明かりを灯してくれるイメージそのものだ。親しみと温もりがある。

オーナーシェフである山本さんにお話を聞くと、スペインの大衆的なイメージを大切に店づくりしたという。

一般的にスペイン料理の専門店と言えば、フラメンコの曲がかかって雰囲気を出す店が多いが同店は少し違う。現地のラジオがそのまま流れている。

レンガ色を基調とした落ち着いた店内は、ガヤガヤっとした活気ある雰囲気が良く似合う。窓の向こうには無言で大通りを行き交う人達の姿が見える。その対照的な世界はまるで映像の様にも見えてくる。

どんな料理があるの?

料理のメニューは色々と豊富だが、もし迷うなら「パエリアコース」がお得だ。今回はそのコースの内容に近い単品をいくつか注文してみた。

まずは「タパスの盛り合わせ」から。タパスとは簡単に言えば手軽に食べられる小皿料理のこと。順に紹介しよう。

まず真ん中は、生ハムのクリームコロッケだ。

スペイン料理の中でも人気が高い「クロケッタ」と呼ばれるもので、日本でいうコロッケのこと。中には玉ねぎ、生ハムがたっぷり入りクリームベースとなる。

同店では揚げたてアツアツで出してくれる。半分に割って中身を見れば、生ハム贅沢なほど入っているのに驚く。

真いわしのエスカベッチェ。これはスペイン風の南蛮漬けだ。

こちらは赤ピーマンの中に鶏レバームースが入った一品。

そして、自家製パンのパンコントマテ

すりおろした完熟トマトにオリーブオイルの組合せが口の中でジワッと浸みこむ。永遠に食べ続けても飽きないような味わいが特徴だ。

そして、お肉のテリーヌ

豚と鴨肉、フォアグラ、いちじく、ピスタチオが入っている。蕩けるような口当たりに、いちじくの種がプチプチっとした食感、更にピスタチオも重なる。アッサリしているようでコッテリ感もある。クセになる味わいだ。

さて、ドリンクだが…

せっかくなのでワインと行きたいが、あまりアルコールが強くない私。飲むと料理の味が分からなくなってしまうかもしれない。どうしようか…。

そんな話をすれば、ノンアルコールの赤ワインもあるという。こちらはスペインを代表するブドウ品種「テンプラニーリョ」からアルコールだけを抜いたもの。

そして「できたて半熟玉子のトルティージャ」がやって来た。

トルティージャとはスペイン料理の代表的な国民的料理で、太陽を思わせる丸い形の黄金色のオムレツのこと。

オリーブオイルで煮たじゃが芋に玉ねぎ、そして玉子は2個。焼き立てアツアツ、トロットロの状態が同店のスタイルだ。中央のアリオリソース(ガーリックマヨネーズ)の辺りからナイフを入れると真っ二つにトロ~と崩れだす。口当たりはアッサリして、とっても食べやすい。

一番のおすすめ「パエリア」だ。

同店で圧倒的な人気を誇るパエリアは単品でも注文できる。しかし、ここはお好みで2種の中から選べる「2色パエリア」が絶対におすすめ。

季節によって具材は変わるが、鴨肉とポルチーニ茸、イカスミ、魚介とフルーツトマト、アサリと鯛出汁などから選べる。そして今回は「鴨肉とポルチーニ茸のパエリア」「イカスミのパエリア」の2種を注文した。

料理のリズムが良いなぁ~と感じたのは、ドリンクを飲み、タパスを食べ終え、会話が弾んだ頃にパエリアがやって来ることだ。

パエリアは注文してから出来上がるまで30分ほどかかるそうだが、見計らったように絶妙なタイミングでやってくる。

テーブルの真ん中にドン!と大きくて平たい鍋に視線が注がれる。焼き上がったばかりの鉄製鍋の熱気と湯気、そして香りがわぁっと周囲を包み込む。

鴨肉とイカスミ、それぞれ取り合って食べてみると…

それぞれの具材の個性がしっかりと味わえる。鴨肉のこってりした旨み、イカスミは魚介の味わいがギュッと染み込んでクセや臭みなどは微塵も感じない。

それにしても、この口当たりの良さは一体…?

シェフにお話を聞けば、こだわりは米だという。日本の米だとどうしても粘り気がでてしまうが、国産米でお出汁を吸ってもペチャっとなりにくい米を探しに探し、そして最高のモノに巡りあえたという。

その産地など詳細はここでは控えるが、そのお米に辿り着くまでに苦労したという。確かに、しっかり染み込んで、米粒の存在感がハッキリ分かる。特に”おこげ”の美味さと言ったら桁が違う!

スプーンでガリガリっと底からすくえば、旨みの塊そのものと言って良い。

更に…極めつけは食後のデザート。

特製チーズケーキはブルーチーズ風味で、なんと塩とハチミツをお好みで付けて食べるスタイル。ここにも驚かされた。

思わず「カフェも別に出店したら?」と言いたくなる。このチーズケーキと珈琲の専門店をつくれば、それだけで行列ができる店になるのでは…ってお味だ。

オープンしたのは3月中旬、既に予約で満席の日が出始めているというが…。この料理を食べた後にその話を聞いたら納得できる。

それより、周囲の情報の早さに驚かされる。美味しい店は口コミが早い。なかなか予約が取れなくなる日も近いかも。「本当は内緒にしたいけど…」とか言いながら教えたくなる店だ。

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スペイン食堂 ラ・ファローラ
住所:京都市左京区聖護院山王町43-2 パレステート日生熊野1F
電話番号:075-600-9984
営業時間:17:00~23:00(Lo.22:00)
定休日:月曜、月1回不定休
公式instagram(外部リンク)
地図(外部リンク)

取材協力:スペイン食堂 ラ・ファローラ

はらぺこライター

旅行好きのライター。各地に伝わる伝説や民話、古くから地元で大切にされているモノを親しみやすく紹介したい|地元で人気の食堂やレトロな喫茶店巡り|”思わずクスッと笑ってしまうような”珍スポット探し|目標は個性的でヘンテコな旅本の出版|フォローして頂けたら嬉しいです。

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