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ラスベガスで戦った三浦隆司が語る井上尚弥「日本でのパフォーマンスを見せてくれたら最強」

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

10月31日(日本時間11月1日)にアメリカのラスベガスでWBA&IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥(27=大橋)がWBA同級2位・IBF同級4位のジェーソン・モロニー(オーストラリア)と対戦する。

試合は新型コロナウイルス対策のため無観客で行われる。

挑戦者のモロニー

当初は4月にWBO王者のジョンリル・カシメロ(フィリピン)と3団体統一戦を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で延期、今回のモロニーとの対戦が決まった。

オーストラリア出身のジェーソン・モロニーは、これまで21勝(18KO)1敗の戦績を誇る。主要4団体のランキングも上位ランクされこの階級での評価も高い。

唯一の敗戦は井上尚弥と戦ったIBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦での判定負けだ。

日本人ボクサーで元WBA世界スーパーフライ級王者の河野公平とも対戦し、6RTKOで下している。

接近戦に強く一発で倒すタイプではないが、パワーがあるファイタータイプだ。

ロドリゲスに負けた後は4連続KO勝利で勢いがある。

予想される展開

井上は試合から1年のブランクがあるが「自分にとってプラスになる期間だった」と前向きに捉えている。

モロニーは崩しにくい相手ではあるが、噛み合えば序盤でのKO決着もあり得るだろう。今回の試合に向けてモチベーションも高い。

ボディ打ちが得意なモロニーに持久戦を強いられたら後半以降は判定になる可能性もあるが、今まで通りの戦いができれば問題ないはずだ。

唯一心配な点は怪我からの復帰とブランクだが、そればかりは試合をしてみないとわからない。

先日、最強王者と言われたワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が新星のテオフィモ・ロペス(アメリカ)に敗れたのは記憶に新しい。

井上クラスの選手に勝てば一気に評価も変わるため、ロペスのようにモロニーも死に物狂いで向かってくるだろう。

トップクラスの試合になると1分戦っただけで相手の実力がわかる。早期の決着もあり得るだろう。

ボクシングの聖地ラスベガス

井上にとって初めてのラスベガス戦となる。

ラスベガスは、年間を通して多くのビッグマッチが行われるボクシングの聖地だ。

かつてマニー・パッキャオ(フィリピン)やフロイド・メイウェザー(アメリカ)などがこの地で戦い伝説を残してきた。

世界中のボクサーたちが憧れる舞台で、アピールするには格好の場所だ。

ラスベガスで試合の経験がある元世界スーパーフェザー級王者の三浦隆司氏に話を聞くと、

「計量の時からエンターテイメントが凄い、全ての演出が華やかだった」と日本での試合とは違った雰囲気について話してくれた。

しかし、調整には苦労したようだ。

「乾燥しているラスベガスでは汗がなかなか出なかった。また、16時間もの時差にも苦しめられた」

ラスベガスは砂漠気候で湿度がほぼゼロに近く汗が出にくい。そのため、減量や調整に苦労したらしい。

また「いつもの日本語の声援が聞けないので孤独を感じた」とも話していた。

日本とは違う環境ではあるが、ボクサーの憧れの地という事もあってモチベーションは高かったようだ。

今回の試合については「井上選手には注目している。日本で戦っている時のような、いつものパフォーマンスを見せてくれたら最強のボクサーですね」と話していた。

現在井上は、リング誌が選定している全階級で最強のボクサーを決める、パウンド・フォー・パウンドランキングで2位に選出されている。

今回の試合を機にスーパースターへの道を駆け上がってほしい。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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