【宝塚市】愛しいものに囲まれるしあわせ。雑貨店calmeで、うつわの特別展が開催中です。
『calme』は週末だけオープンする小さな雑貨店。山本から中山に抜ける、国道176号線沿いにあります。雑貨好きな方なら誰しもひとめぼれの経験があると思いますが、calmeさんの雑貨たちはすべてが可愛らしく、どこか懐かしく、ひとめぼれだらけで端から順番に揃えたいと思うほど。
さらに現在は8月6日まで、練り込み陶芸作家『前田啓子展』を開催中です。
前田さんは宝塚市在住の作家さんで、現在は川西市で「陶kei教室」を主宰していらっしゃいます。実力は折り紙付きで、知る人ぞ知る注目の作家さんなのですが、ご本人は「好きなことをやっているだけだから」といたって謙虚で、作品展もほとんど開いたことがないそう。
calmeの店主・林さんは、趣味の着物がご縁で前田さんと出会いました。訪れた工房でその作品に感銘を受け、本人を口説き落として今回の特別展にいたったんだそう。ちなみに、一人の作家さんの作品をまとめて展示するのは、今回が初めての試みです。
『練り込み』とは、色の異なる土を組み合わせて焼きものを成形する技法。
「金太郎飴を想像していただくとわかりやすいかもしれません」と林さん。色土と白土を模様に組むのですが、カットした時に出る模様を想定して巻寿司状に作成、それを同じ厚みにスライスしたものを並べて、隙間無く板状にしてから、型に乗せて成形します。
1枚目の写真のお皿のように、つなぎあわせることで連続した模様を作り出しています。つなぎ目がまったくわかりませんね。素晴らしい技術です。
ろくろのように一定のリズムで広げないので、立ち上がりにうねりができ、それが味わいになっています。
前田さんはどんな方ですか、と尋ねたら「とにかくパワフルな人!」との答えが返ってきました。うつわを見ていても、その明るさは伝わってきます。なんとなく工房で鼻歌を歌いながら成形しているような、そんなイメージです。
実は、以前にご紹介したつむぐ舎さんで展示されていた器も、練り込みの技法を使っているのですが、まったく印象が違います。
さて、calmeさんは雑貨も見逃せません。今回は紹介しきれませんでしたが、猫の柄(がら)の鍋つかみやホーローのおたまなど、生活に必要というだけではない、見た目の楽しさや遊び心があふれる雑貨がいっぱい。お気に入りの作家さんの人形やこけしなど、いつまで見ていても飽きることがありません。
そして天井にも注目です!
こちらのカエルくんは商品ではなく、作家さんの作品をオブジェとして展示していて、林さんのお気に入りなんだとか。たしかにこのフォルムのリアルさ、美しさ。私も家に飾りたいです。
林さんの好みを反映して、店内はガラスの器が充実しています。現在は、アデリアレトロのガラスを展開中。季節ごとに商品が入れ替わったりするようなので、気になる方はお早目にチェックしてみてください。
雑貨に、うつわにアートまで、見どころ満載のcalmeさん。今度は取材ではなく、個人的にゆっくりとお邪魔したいと思います。