3年連続40本塁打&100打点に迫る、もう一人の「クラッシュ・デービス」が初タイトルを獲得する!?
8月21日、クリス・デービス(オークランド・アスレティックス)は5回裏のヒットでシーズン100打点目を挙げ、7回裏には38本目となるホームランを放った。
過去2年とも、デービスは40本塁打&100打点を記録している。にもかかわらず、知名度はそう高くない気がする。
観客の少ないオークランド・コロシアムをホームとしていることも理由だろうが、それ以上に大きな要因は、彼自身の名前にあるのではないだろうか。メジャーリーグにはもう一人、ボルティモア・オリオールズにもクリス・デービスがいる。ともにパワー・ヒッターで、ファーストネームの綴りは、A'sのデービスが「Khris」、O'sのデービスは「Chris」だが、ニックネームは2人とも「クラッシュ(Khrush/Crush)」だ。ケビン・コスナーが映画「さよならゲーム」で演じたクラッシュ(Crash)・デービスにちなんでいる。
O'sのデービスは、メジャーリーグ11年目の32歳。2013年に本塁打と打点のタイトルを獲得し、2015年もリーグ最多のホームランを放った。一方、A'sのデービスは6年目の30歳。タイトルは手にしたことがない。
40本塁打&100打点を3年連続とすれば、史上22人目だが、タイトル・ホルダーとなる方が、その名は知られるだろう。現在、38本塁打はJ.D.マルティネス(ボストン・レッドソックス)と並んで1位。102打点はJ.D.と4点差の2位につけている。ちなみに、O'sのデービスは15本塁打、41打点だ。
また、A'sのデービスがプレーしたチームは、2013~15年のミルウォーキー・ブルワーズを含め、過去5年ともポストシーズンに出場していない。今シーズンのA'sは、ヒューストン・アストロズと並んで地区首位にいる。このままポストシーズンに進み、そこでデービスがパワーを発揮すれば、知名度は上昇するはずだ。
なお、40本塁打&100打点を3年以上続けた21人のうち、その間に本塁打でも打点でもタイトルを獲得できなかったのは、1995~97年のジェイ・ビューナー、1996~98年のビニー・キャスティーヤ、2003~06年のアルバート・プーホルス(現ロサンゼルス・エンジェルス)だけだ。
その後、キャスティーヤは2004年に131打点を挙げ、タイトル・ホルダーとなった。2003~06年のプーホルスは、本塁打と打点こそリーグ最多ではなかったものの、2003年に首位打者を獲得。さらに、2009年は本塁打、2010年は本塁打と打点のタイトルを手にした。だが、ビューナーはタイトルと無縁のままに、キャリアを終えた。