未来のヒット文具はここから生まれる!知る人ぞ知るメーカーが集まった展示会FRAT#3は今年もクール!
大手だけが文具メーカーじゃない
みなさまこんにちは。デジアナリスト・手帳評論家の舘神龍彦(たてがみたつひこ)です。
文房具のメーカーは、ネット上のニュースで話題になる大手以外にもたくさんあります。知られざる、知る人ぞ知るメーカーが実は数多くあるのです。
中には文具大賞を受賞したり、大手メーカーの製品に大きな影響を与える存在もあります。また、大手メーカーが手を出さないジャンルやプロダクトを独自に開発しヒットを飛ばしているメーカーもあります。
FRATとは
そしてそういったメーカーが合同で行っているのがこのFRATという展示会です。
すでに開催三回目を数える今回は、10月13日、14日の両日開催。会場は、天王洲アイルからほどちかい寺田倉庫。バイヤーやメディア関係者のためのイベントです(一般の方の入場不可)。今回はこのFRATで見た面白い文具・雑貨を紹介していきましょう。
スキマメモ(ぷんぷく堂)
最近、各社から続々と登場している横長の手帳やノート。このアイテムもその一群の流れにあるかと思いきやそうではないそうです。
「これは人気の品です。先日も出張したあるイベントでは完売でした」(ぷんぷく堂店主 櫻井氏)。
作りは、簡素なダンボールの表紙をツインリングで綴じたメモ。これをパソコンのキーボードの下に置いておき、メモに利用するわけです。
このアイテム実はロングセラーとのこと。「実は4年も前からあるんです。」もともとはある文具メーカーの方が独自にこれと同じようなものを作っていたそうです。当時は、細長いスタイルがあまりピンと来る人がおらず、特に人気はなかったとのこと。そしてそれを見た櫻井さんがその方にことわって、作って販売したところ人気のアイテムとなったとのこと。登場した4年前は、これほどテレワークが一般化するとは誰も想像していなかったわけですが、すでにロングセラー。表紙のイラストは店主が書いたもので、ゴム印で一つずつ押しているそうです。495円(税込み)。
「ぬり絵じゃないぬりたくり絵インクカード」(ノウト)
このところの文房具業界におけるインクブーム、通称“インク沼”。この現象はまた、インクの受け皿となる各種製品を生み出しました。インク帳とかインクのカードなどがそれです。また、ユーザーが独自にノートに記録する例もあるようです。
この「ぬり絵じゃないぬりたくり絵インクカード」もそんなアイテムのひとつ。
名刺サイズのカードはいっけん真っ白。ですがニスが印刷してあり、インクを塗るとニスをはじいて絵柄が浮き出るというしかけ。万年筆などで何も考えずに表面をなぞっていくことでパターンが白く出てくる。これは純粋に楽しいというか。この何も考えない楽しさというのは、久しぶりに感じた感覚でした。25枚入り1100円(税込み)
デニムバッグインバッグB5 (ラダイト)
ラダイトはもともとユナイテッド・ビーズというメーカー(現在は廃業)のそこのスタッフの方が新たに起こしたメーカー。製品の中には手帳もありました。今も各種ノートを製造しています。そして今回の出展物の中心は革小物や帆布のアイテム。これもユナイテッド・ビーズ時代からの十八番のアイテム。革のペントレーや帆布のペンケースなどです。
色使いがおしゃれな感じです。面白かったのは、デニム地のバッグインバッグ。あのリーバイスのジーンズをイメージして作ったそうです。生地だけでなくポケットやボタンの感じがとてもジーンズらしいですね。3300円(税込み)
スマホノートケース(アモルフ)
スマートフォンとメモ帳を一体にするアイテムは今までも色々ありました。これは、またスマートフォンを保持する方法に一工夫。スマートフォン側とカバー側の両方に異方性マグネットシートをセット。異方性マグネットは、一定方向にのみ磁力が作用するものです。このことで、スマートフォンが自然に上方にスライド可能になっています。このことで、取り外すことなく、カメラのレンズ部分が外側に出てそのまま撮影可能です。この仕組み自体にも引き合いが多数あるそうです。
また、メモ帳は、会場にあった例では、「ハンディピック」(ダイゴー)が挟まれていました。このメモ帳を保持する仕組みは、カバー自体にある縦のゴム紐。これをメモ帳の真ん中にとおして挟んであります。ペンも保持できます。
そして外側の2カ所の磁石でピタッとカバーができ、ポケットに入れられます。
つまりこのカバー一つで、スマートフォン、メモ帳、ペンをまとめて運ぶことができ、撮影も可能です。スマートフォンとメモ帳をセットで持つ人には便利に使えそうです。
iPhone13シリーズの各種対応タイプのほか、他のスマートフォン用もあるそうです。全機種対応製品は、18150円(税込み)。
オノマトペ(ナガサワ文具センター)
俗にインク沼などとも言われるこのところの万年筆とインクのブーム。その流れの一つ、ご当地インクの代名詞的な存在がこのナガサワ文具センターの「神戸インク物語」のシリーズです。そしてこの「オノマトペ」はその新しいシリーズとも言うべき存在。文字通り、マンガなどに登場する擬音語をイメージしたインクだそうです。音のイメージのインクというのがなんとも抽象度が高い。製品名も「うとうと」「すいすい」「カシャカシャ」「にょきにょき」などなど。それぞれのオノマトペから想像される色がになっています。そこが逆にそそられる感じですね。2200円(税込み)。
会場に来られない人のための意欲的な試み FRAT BOX
また、いろいろな事情で会場に来られない人のための面白い試みもあります。それが、「FRATBOX」です。これは、出展メーカーの製品サンプル(参加社のみ)を箱にまとめて届けるというサービスです。手数料2000円(別途デポジットが必要)。申込みはFRAT公式サイトから。
合同展示会から文具のトレンドや今後が見える
このようにFRATは、知る人ぞ知るメーカーの展示会です。そこに登場するアイテムはいずれも面白いモノばかり。また、文具の世界の流行やトレンドを反映したモノもいろいろありました。
現在の文具の市場の縮図のようでもあり、その枠にとどまらない製品もあり、純粋に面白いと感じると同時に、今後のヒット商品の萌芽をみる思いもありました。
ここに紹介した製品は、今回のFRATに参加したメーカーのごく一部の、そのまた一部の製品です。ともあれ、文具メーカーには、大手メーカーやあるいは無印良品のようなブランド以外にも、独創的で個性的、先進的なプロダクトを作るこれらのメーカーがある事をぜひ知って、また覚えていて欲しいのです。そして、例えば店頭とか、文具女子博のようなイベントで見つけたら、ぜひ手に取って見てください。