「片づけができる子を育てたい!」そう思ったら「片づけ」だけ教えても意味がありません。
私は小中高の4人の子どもと夫と、いつもキレイじゃないけど、何かあればすぐ片づく家に暮らし、だれかのマネではなく、自分らしい暮らしを育てるお手伝いをしています。
子どもに片づけができる子になってほしい。
子どもに片づけを教えたい。
という声を聞きます。
確かに、子どもが散らかった部屋を片づけてくれたら、使ったモノをきちんと元の場所に戻してくれたらこんなに助かることはありません。
しかしそう思うなら、子どもに「片づけ」だけを教えても意味がありません。
今日は、「片づけができる子に育てたい」と思ったら、やってほしいことについてです。
「片づけ」はモノゴトのごく一部にしか過ぎない
子どもに「片づけ」を教えたいと思うなら、「片づけ」だけではなく、日々の生活を回していくさまざまなモノゴトに関わらせるとよいと私は考えています。
なぜなら、片づけは、生活のモノゴトのごく一部だから。
その一部分だけ切り取って、一生懸命教えても、残念ながら見た目しか片づかないと思うのです。
片づけは、子どもが遊んだ後から始まるのではありません。
実はもっとその前から、始まっているし、一旦キレイになった後も続くのです。
買う時から、手放す時までが「片づけ」である。
例えば、幼児から小学生くらいの子におもちゃの片づけをしてほしいと思うなら、
おもちゃを手にする時から、子どもに関わってもらうのが大事で、
●どんなおもちゃが欲しいか
●買ったあとは、おもちゃのおウチ(収納)があるのか
●おもちゃのおウチは、どこにするとよいか
こういったことを、親子で考える必要があります。
買うということは、モノを増やすということ。モノを買うから片づけが必要になります。
子どもに片づけてほしいと思うのに、あまりモノが多すぎると、子どもには手が負えません。
しまう場所もないのに、買ってしまい、「片づけて」というのは、少し無責任だと思うのです。
だから、何を買って(手に入れて)どうやって管理するかということを、親と子が一緒に考える必要があるのです。
また、もう遊んでいないおもちゃがあれば、
●そろそろ、卒業だろうか、いつ卒業しようか
●ずいぶん遊んでいないけどどうしようか
●だれかに譲るのか、それとも捨てるのか
●壊れていたら、修理はどうするのか
●もう少しだけとっておくのか
●いつまで、とっておくか
もう、遊んでいないおもちゃをどうするのか、そんなことも考えないといけません。
おもちゃを手にする時は、楽しいですが、手放す時のほうが大事です。一つのけじめです。
いつまでも貴重な収納スペースに、遊んでいないおもちゃを残したままだと、新しいおもちゃも入りませんし、後片づけするおもちゃの量もどんどん増えていき、何が大切なのか、わからなくなります。
だからと言って、しばらく遊んでいないからと、子どもに黙ってこそっと捨てるのではなく、その時決断はできなくても、子どもがどうするのかを考えるきっかけになる声かけは忘れないでほしいです。
使ったモノを元に戻すだけが片づけではない。
片づけは、ただ「使ったモノを元に戻す」だけではありません。
本当に必要なモノを選び、収納場所を用意し、大事に扱い、最後まで面倒を見ることです。
だから「片づけができる子」とは、使ったモノを元の場所に戻せる子ではなく、自分で必要なモノを選び、管理できる子。
子どもが、使ったおもちゃを元に片づけくれる後片づけをしてくれたら、本当に助かります。
しかし、いつか自立をしたら、後片づけだけでは、暮らしていけません。
自分の生活に必要なモノを選び、それを管理できる力が必要です。
だから、ぜひ保護者の方には、子どもには後片づけだけではなく、「買う」「収納を考える」「大切に使う」「修理する」「捨てる」などモノと関わることに積極的に巻き込んでほしいと思います。
※使ったモノを元に戻せるだけでは、不十分な理由はこちらの動画でご覧になることができます。