夕食は何時に食べ始めますか? 年齢階層別夕食開始時刻の実情をさぐる(2024年公開版)
一日の食事の締めでもあり、一家だんらんの場としても重要な夕食。用意する時間をある程度取れることもあり、料理をする人には腕を振るう場ともなる。その夕食を取り始める時刻は、人によってどのような違いが生じているのだろうか。総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」(※)の結果を用い、年齢階層別の実情を確認していくことにする。
最初に挙げるのは、男女・曜日(平日と土曜、日曜)別、そして年齢階層別の平均夕食開始時刻の実情を記したグラフ。縦軸の時間区切りを統一し、男女の比較もしやすいようにしてある。
男女ともおおよそ平日より土曜、土曜より日曜の方が夕食の開始時刻が早い。これは、就業者は就業時間に押される形でどうしても夕食時刻を遅くせざるを得ないため。土曜出勤者も多分にいることから、平日よりは早いものの、日曜よりは遅くなる次第。また歳を経るに連れて健康・身体の変化などから就寝時間が早くなるため、自然と夕食開始時刻も早くなる(もちろん定年退職などで就業者率が減るのも一因)。そして女性よりも男性の方が平日と土曜・日曜の差異が大きいのも、男性の方が正社員での就業者が多く、必然的に帰りが遅くなるから。
また遅くなるピークを見ると男性は平日と土日で時間帯が異なるが、現役世代は大体同じ時間を維持するものの、女性は20代でやや遅くなる山場を迎え、それ以降は早くなり、40代からまた遅くなる動きを示している。これは男性が自分のペースで夕食を食べ始めるのに対し、女性は夫の帰りをまたず、子供の要望に応える形で早めに食事を取る傾向があることを示唆している。よく見直すと、男性も日曜日には35~39歳を中心に、夕食開始時刻が早まる動きを示しており、これは日曜ぐらいは親子そろって夕食を取るため、母親や子供に時間を合わせているのではないかと思われる。
余談になるが、男女で平日・年齢階層別の夕食開始時刻を比べると次の通りとなる。
10代後半から男女で大きく差異が生じるのは、就業しているか否かで夕食開始時刻が異なるため。そして男性の定年退職や女性のパート・アルバイトの必要性の低下(=子供の親離れ)が進むに連れて、男女の差異は縮まっていく。同時に就寝時間が早くなるといった身体的な事情もあり、開始時刻が早まる形となる。
一番の男女差が生じるのは30代後半で37分(男性19時33分、女性18時56分)。男性の働き盛りでもあり、多忙なために帰宅も遅くなる。当然食事もずれ込む結果、差異が開くと考えれば、この動きも納得がいく次第ではある。
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※令和3年社会生活基本調査
国勢調査の調査区のうち、総務大臣の指定する約7600調査区に対して行われたもので、指定調査区から選定した約9万1000世帯に居住する10歳以上の世帯員約19万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2021年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2021年10月16日から10月24日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と、調査員への提出あるいはインターネットでの回答による回収方式。
調査は5年おきに実施されており、過去の調査もほぼ同様の様式で行われている。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は 【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。