大学生が一番起きるのが遅い!? 年齢階層別の起床時刻(2024年公開版)
起床時間に関して「お年寄りは早起き」「大学生は起床時刻をはじめ時間にルーズ」とはよく耳にする話だが、実態としてはどのようなものなのだろうか。今回は総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」(※)の結果を用い、その実情を確認していくことにする。
人は概して寝ている間は何もできず、起きてはじめて自分の意思に従い行動することが可能となる。よって就寝時刻が同じ場合は、早く起きたほうが多様な生活行動をとれる。やらねばならない用事が多く早起きせざるを得ない人もいれば、自分の趣味のため、さらには自然に早起きしてしまう場合もあるだろう。
次に挙げるグラフは男女・曜日別、そして年齢階層別の平均起床時刻の動向を記したもの。男女共に、曜日を問わず、20~24歳がもっとも遅起きとなっている。
成人では概して女性の方が起床時刻が早い。これは別記事でも記した通り、朝の家事で忙しく、少しでも時間を確保するためのもの。一方男女とも20~24歳がもっとも遅起きとなり、以後少しずつ高齢層になるまでは早起きに移行していることが分かる。「遅起きピーク」の20~24歳は多くの人が大学生であることから、時間的にルーズな生活を過ごしていることは容易に想像できる。
実際、ライフステージ別の起床時刻を見ると、大学生などの区分がもっとも遅起きとなっている。
大学生などは土日には9時前後まで寝ているのが確認できる。
もっとも大学時代を過ぎると、一様に少しずつだが早起き化していく。70代以降は歳を取るに連れて逆に起床時間が遅くなるが、現役世代と比べて「お年寄りは早起き」との話はおおよそ間違いはない。
余談になるが、男女で平日・年齢階層別の起床時刻を比べると次の通りとなる。
大学時代がもっとも遅起き、あとは年を取るに連れて早起きとなる点は変わりない。一方成人となった以降は男女差がほぼ一定のまま推移しているのが分かる。これは多分に「配偶者や子供向け・朝の支度時間を少しでも工面するための」早起きと考えられる。子供が成人化する50歳以降、差異が急速に縮まるのも、その理由ならば説明がつく。
男女の差異は20~30分。一日だけならともかく、平日は毎日繰り返されることを考えれば、感謝せずにはいられないとの男性諸氏は少なくあるまい。
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※令和3年社会生活基本調査
国勢調査の調査区のうち、総務大臣の指定する約7600調査区に対して行われたもので、指定調査区から選定した約9万1000世帯に居住する10歳以上の世帯員約19万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2021年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2021年10月16日から10月24日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と、調査員への提出あるいはインターネットでの回答による回収方式。
調査は5年おきに実施されており、過去の調査もほぼ同様の様式で行われている。
(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
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(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。