男女、平日と土日で起床時刻はどこまで違いを見せるのか(2024年公開版)
ライフスタイルによって起床時刻は人それぞれ。見方を変えれば起床時刻の動向を見ることで、人々のライフスタイルを推し量ることができる。今回は総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」(※)の結果を用い、その実情を確認していくことにする。
まずは直近2021年における平均起床時刻(深夜ゼロ時以前に始まり、60分を超えて続く最初の睡眠の終了時刻)だが、平日は男性が午前(以下同)6時43分、女性が6時32分と、女性の方が10分強早い。朝の家事などのために早起きする必要があるからだろう。
土日になると男女とも30分ほど平日と比べて起床時間が遅くなる。土曜日より日曜日の方がさらに遅くなるのは、土曜日も出勤・登校で早起きせざるを得ない人がいるため、平均化した時に早めの時間が出てしまうから。一方で男女の差異はあまり変わりない。
今件を就業別に見ると、男女とも平日は有業者の方が早く起床するものの、土日では無業者(定職を持たない人)の方が早起きする傾向が見られる。
有業者は平日の就業での疲れをいやすため、土日に少しでも長く睡眠を取り、そのために起床時間が遅くなる、と考えれば道理は通る。たいした時間ではないかもしれないが、寝不足の人にとっては、それでも結構嬉しいもの。
今調査は5年おきに実施されているため、前回調査は2016年のもの。そこで前回調査分の結果を抽出して直近調査分と比較し、5年間の変移を計算したのが次のグラフ。男女とも、平日・土日を問わずに起床時間が遅くなる結果が出た。
2021年は新型コロナウイルスの流行により、外出忌避や他人との接触機会が極力抑えられ、在勤者が増えている。このことで通勤が不要となり、時間に余裕ができた分を起床時間のずれ込み(=睡眠時間を増やす)にあてた可能性がある。また単に、外出する機会が減るだけでも、時間を節約でき、それを睡眠時間にあてようとする人もいるだろう。
これをさらに就業状態別に細分した結果が次のグラフ。
元々女性の方が早起きなことから、起床時間が延びる度合いも大きなものとなっている。また女性は有業者と無業者で大きな違いは出ていないものの、男性では有業者の方が起床時間の延び方は小さい。通勤時間などを節約できても、これまでの習慣でつい同じ時間に起きてしまうのかもしれないし、遅く起きても家族の目が痛いのかもしれない。
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※令和3年社会生活基本調査
国勢調査の調査区のうち、総務大臣の指定する約7600調査区に対して行われたもので、指定調査区から選定した約9万1000世帯に居住する10歳以上の世帯員約19万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2021年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2021年10月16日から10月24日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と、調査員への提出あるいはインターネットでの回答による回収方式。
調査は5年おきに実施されており、過去の調査もほぼ同様の様式で行われている。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
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