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今年のMVP投票で横浜DeNAは合計0票。これは椿事!? それともよくあること!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
横浜スタジアム JULY 31, 2021(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 セ・リーグのMVP(最優秀選手)投票は、受賞した村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)を筆頭に、16人が票を得た。ただ、そのなかに、横浜DeNAベイスターズの選手はいなかった。1位票を投じられた9人だけでなく、2位票の15人と3位票の16人にも皆無だ。

 一方、パ・リーグは、どの球団にも票を得た選手がいた。ちなみに、球団別の最少得票とポイントは、北海道日本ハム・ファイターズの1票と3ポイント。伊藤大海が、1人の記者から2位票を得た。

筆者作成
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 また、昨年は、両リーグの全12球団に、票を得た選手がいた。横浜DeNAは、佐野恵太が6票。いずれも3位に挙げられた。

 ただ、今年の横浜DeNAの0票は、そう珍しいことではない。過去10年間(2011~2020年)のセ・リーグで、全6球団の選手が得票は、2013年、2019年、2020年の3度。1球団が0票は6度を数え、2016年は阪神タイガースと中日ドラゴンズの2球団が得票なしだった。横浜/横浜DeNAは、2011年と2012年、2014年が0票。今年を含め、2011~2021年の11年間に得票なしが4度は、セ・リーグで最も多い。

 パ・リーグは、セ・リーグと様相が異なる。過去10年間の得票は、全6球団と6球団中5球団が5度ずつ。2球団が揃って0票の年はない。しかも、1球団の得票がなかった5度のうち、2015年のオリックス・バファローズ以外の4度は、千葉ロッテ・マリーンズによるものだ。2011年と2017~19年が0票だった。

 なお、今年もそうだったように、MVPの票は、リーグ優勝の球団(の選手)に集まる傾向がある。それについては、こちらで書いた。

「リーグ優勝の球団以外でMVP投票の順位が最も高かった選手。今年は4位の岡本和真と5位の益田直也」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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