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ダルビッシュが逃した「チーム初先発から3試合連続2ケタ奪三振」をチームメイトは成し遂げている

宇根夏樹ベースボール・ライター
リッチ・ヒル Sep 20, 2015(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・ドジャースへ移籍後、ダルビッシュ有は最初の2登板とも10三振を奪った。3登板目の8月16日は、メジャーリーガーとなってから最少の2奪三振にとどまったものの、イライアス・スポーツ・ビューローによると、チーム初先発から2試合続けて2ケタ奪三振は、1900年以降4人目の記録だ。

 1人目のカール・スプーナーは、1954年9月にブルックリン・ドジャースからメジャーデビューした。2人目のリッチ・ハーデンは、2008年7月にオークランド・アスレティックスからシカゴ・カブスへ移った。3人目のリッチ・ヒルは、2015年8月にボストン・レッドソックスと契約し、翌月にメジャーリーグへ昇格した。ヒルは2010~12年もレッドソックスにいたが、計40登板はすべてリリーフで、先発登板はなかった。

 彼らのうち、2人のリッチは3先発目も2ケタ奪三振を記録した。

 当時のハーデンは、ダルビッシュと同じように活躍が期待されていた。このトレードでハーデンとチームを入れ替わった選手には、ジョシュ・ドーナルソン(現トロント・ブルージェイズ)やマット・マートンらがいた。

 けれども、ヒルの場合は驚きだった。メジャーリーグでは2009年を最後に先発登板しておらず、すでに35歳を迎えていた。この年は、ワシントン・ナショナルズのAAAでリリーフとして好投していたが、スターターとして投げる機会を得られず、6月下旬に自ら求めて自由契約となった。その後、レッドソックスと契約する前に、独立リーグで2試合に先発した。

 現在、ヒルはドジャースにいて、ダルビッシュや前田健太らとともにローテーションを形成している。17先発して89.0イニングを投げ、8勝4敗、防御率3.44。故障者リストに2度入っているものの、奪三振率10.82はダルビッシュ(9.87)を上回り、80イニング以上の両リーグ8位に位置する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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