三浦春馬さんを都知事選の選挙ポスターに無断使用でアミューズが抗議。何が起きているのか?
2020年に亡くなられた三浦春馬さんの名前や似顔絵(肖像)が無断で都知事選の選挙ポスターに利用されているとして、株式会社アミューズ法務部がX(旧Twitter)で6月28日抗議声明を発表しました。
一体何が起きているのかを解説します。
YouTuberがNHK党のポスター掲示場ジャックを利用
問題のポスターはYouTubeチャンネル『春活channel』を運営する人物が、NHK党が今回の東京都知事選で行っている「ポスター掲示場ジャック」を利用して掲示しているものです。
当該人物のXの投稿によると、自身が作成したポスターが23日時点で渋谷区の3箇所に掲示されているとのことです。
もちろん無許可であり、当該人物に対しては多くのファンからの苦情のポストが寄せられる事態となりました。
アミューズ「ご遺族も大変心を痛めております」
そうしたなかで所属事務所に情報提供が行われたのか、28日に株式会社アミューズ法務部が抗議声明を発表します。
声明では「利用を一切許諾していない」こと、「ご遺族が大変心を痛めている」こと、「QRコードからYouTubeチャンネルに誘導しており、商業目的に使っているためパブリシティ権の侵害である」ことを説明したうえで、「選挙ポスターを掲示した者がただちにそれらを撤去すること」が要求として伝えられました。
NHK党の立花氏「大変失礼致しました!」と謝罪
この声明を受けて同日、NHK党の立花氏はXで掲示者に電話で事実確認を行ったと発表。
それによると掲示者は「事前に株式会社アミューズ様に許可をとっていない」とのことであり、「直ちに撤去します」と回答したとのことです。
あわせて立花氏は株式会社アミューズ、三浦春馬さんのご遺族、そしてファンに向けて「大変失礼致しました! ごめんなさい」と謝罪を発表しました。
YouTuber「三浦春馬さんが大好きでこういうことをしてしまった」
また、問題のYouTuberも自身のチャンネルで「東京都知事選挙ポスターの件でアミューズ法務部から声明が出ましたので自分なりの思いを言います」とのタイトルの動画を公開。
動画のなかで「三浦春馬さんのことが大好きでこういうことをしてしまった」、「アミューズさんの方にご迷惑をおかけした」、「やり方が間違っていたんじゃないかなと思いました」と謝罪しました。
謝罪も活動や金儲けに利用されている
ただ、こうした一連の謝罪もNHK党の活動やYouTuberの金儲けに利用されているように筆者は感じました。
立花氏は謝罪のなかで今回の件に関係のない、みんなでつくる党の大津綾香さんのポスターの画像を掲載したり、謝罪文のなかで取り上げたりしています。
また、YouTuberはポスター問題についてこれまで投稿してきた動画を見るかぎりでは、この話題で再生数を稼ごうとしているようにしか見えません。
おそらくはこの記事もそうした一連の行為に利用されるでしょう。
今回の都知事選では、選挙制度の抜け穴を突いた数々の問題行動が起きています。次期選挙ではこのような悪用を防ぐため、早急に法整備や運用の見直しを求めたいところです。