九州では今週以降も大雨警戒の継続、関東では空梅雨の様相
九州の線状降水帯
気象庁では、6月30日10時00分に九州北部(山口県を含む)に対して、30日10時13分に九州南部に対して「線状降水帯の半日前の予報」を発表しました。
内容はともに、6月30日午後から7月1日午前中にかけて線状降水帯が発生し大雨の可能性があるというものです。
そして、7月1日1時に「顕著な大雨に関する情報」を発表し、山口県で線状降水帯が発生したと発表しました(図1)。
また、7月2日1時9分に再度「顕著な大雨に関する情報」を発表し、鹿児島県奄美地方で線状降水帯が発生したと発表しました。
気象庁では、令和12年度を目処として、「線状降水帯の発生を含め、集中豪雨の予測精度向上」に取り組んでいます。とはいえ、毎年のように重大な災害をもたらす線状降水帯に対する防災対策は喫緊の課題となっています。
このため、令和12年度まで待つことなく、完成した技術を用いた情報の発表を計画しており、線状降水帯に関する情報の第1弾が、令和3年より始まった「顕著な大雨に関する情報」です。
また、線状降水帯に関する情報の第2弾が、令和4年から始まった「線状降水帯の半日前予報」です。当面は、国内を11の地方に分けての発表ですが、令和6年には都道府県単位、令和11年には市町村単位での発表が予定されています。
従って、九州北部(山口県を含む)の「線状降水帯の半日前予報」は適中したということができ、適中率は50パーセントです。
また、九州南部については、半日前の予報はできませんでしたが、歯が立たない難しさではなかったと思われます。
線状降水帯に関する情報は、まだまだ荒い情報で、精度が高くありませんが、現在の技術でも線状降水帯に関する情報が発表となったときはほとんどの場合で大雨が降っています。
令和12年度を待つことなく、線状降水帯の情報が発表となったときは、十分な警戒が必要です。
西日本の豪雨
7月1日は、梅雨前線がゆっくり南下しており、前線のすぐ南の暖湿気流が流入している地域と、梅雨前線付近で大雨となっています(図2)。
これまでに、九州を中心に400ミリ以上の雨が降っており、土砂災害が発生しやすくなっています(図3)。
そこに、さらに150ミリ以上の雨が降る見込みですので、九州では、しばらく大雨に警戒が必要な状態は続きます(図4)。
そして、九州の雨は少なくとも7月中旬まで続く見込みです。
福岡の16日先までの天気予報をみると、7月2日などでお日様マーク(晴れ)がありますが、ほとんどの日で傘マーク(雨)と黒雲マーク(雨の可能性がある曇り)がついています(図5)。
白雲マーク(雨の可能性がほとんどない曇り)は7月6日だけです。
降水の有無の信頼度が5段階で1番低いEや、2番目に低いDが多く含まれる予報ですが、雨の日が多いという、まさに梅雨の天気予報です。
九州はしばらく雨に警戒が必要です。
九州ほど極端ではないものの、中国・四国・近畿・東海・北陸地方も雨の日が多い予報となっていますが、関東甲信地方は、雨の日がそれほど多くありません。
関東は空梅雨、梅雨明けは?
東京の16日先までの天気予報をみると、傘マークの日は、7月2日しかありません(図6)。
お日様マークの日や白雲マークの日が多く、降水の有無の信頼度が5段階で1番低いEや、2番目に低いDが多く含まれる予報とはいえ、空梅雨気味で、いつ梅雨明けでも良いような天気予報となっています。
ただ、気温は1日を除いて、30度以上の真夏日が続く予想です(図7)。
しかも、最低気温の予報は連日25度以上と、熱帯夜が続く予報です。
湿度が高くて日射が強く、夜になっても気温が下がらないという、熱中症になりやすい日が続くという予報です。
関東甲信地方は特に暑さに警戒が必要です。
図1、図2、図3、図4、図5、図6の出典:ウェザーマップ提供。
図7の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。