台風18号は、まれにみる発生当初からの巨大な台風
台風18号の強風域は直径1900キロ
きょう8日(金)午後3時、フィリピンの東海上で台風18号が発生しました。
この台風はフィリピンの東海上にあった2つの熱帯低気圧を巻き込むようにして発生したため、発生当初から超大型の巨大な台風となっているのが特徴です。
台風の大きさは風速15メートル以上の強風域で定義され、その直径が1000キロ以上(半径500キロ以上)だと大型の台風、1600キロ以上(半径800キロ以上)にもなると超大型の台風となります。超大型の台風は平均すると年間1個程度の発生率です。
通常、台風が発生する時にはまだ比較的小さな渦巻きで、強風域の直径はせいぜい500キロ程度のことが多いものですが、今回の台風18号は速報値ではありますが、発生時から直径1900キロもの広大な強風域(黄色い円)を持つ巨大な台風として生まれました。
強風域(黄色い円)は北海道から九州までをすっぽりと包み込んでしまう様な巨大な大きさです。
気象庁の統計が整っている1977年以降のデータで筆者が調べたところ、これまで最も大きな強風域を持って発生した台風は2007年台風14号で、その大きさは直径1700キロでしたから、今回の台風18号はこれを上回る統計史上最も大きな強風域を持って発生した台風とも言えそうです。
また過去最も大きな強風域を持った台風は1997年台風13号で、強風域の直径は一時的に約2400キロにも及びました。
台風は離れていても荒天に警戒
上図は週明け11日(月)正午の雨や風の予想です。
台風予報円の中心と台風18号の位置は少々異なることには注意して頂きたいのですが、台風18号の中心からかなり離れた那覇や石垣島なども台風の強風域に入っているとみられ、東寄りの強い風が予想されています。
また台風中心の北側、かなり離れた所にも活発な雨雲のバンドがあるため、これらの雨雲が到達すれば、非常に激しい雨を伴った大雨ということも十分に考えられる状態です。もちろん海は高波に要注意です。
今のところ、台風18号は暴風域を持つまでには発達する予想はないものの、超大型で強風の吹いている領域が非常に広いため、台風の中心が離れて通っても影響が大きくなるおそれがありますので、今後も最新の情報にご注意下さい。
台風17号はベトナム、ラオスへ
台風18号に先立つこと12時間前、きょう8日(金)午前3時に、南シナ海で台風17号が発生しました。
この台風も発生当初から強風域が大きく、大型の台風となっていますが、今後は北から西寄りに進み、週明けにかけてベトナムやラオス方面を指向する予想のため、日本付近への直接の影響はありません。
参考:国立情報学研究所(デジタル台風)